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幼馴染み
15

取り敢えず、制服のままじゃ店には行けないから一度家に戻って着替えることにした俺達。


俺が家に帰ると母さんが心配して泣くから、蒼の家に行った。蒼の部屋には俺の服も数枚放置してあるから不便は何もない。


着替えが終わると当初の目的通りカラオケへ向かった。朝っぱらから二人して歌い合いをして盛り上がる。


……蒼は歌も上手いんだ。ここに女の子がいたら、一発で落ちるんじゃない?
って感じで甘く囁くような低い声が心地良い。


昼過ぎになると流石に歌い疲れた俺。朝から立て続けに色々起こったけど、カラオケで無心になって歌っていたら大分気は紛れた。


二人で休憩していたら、いきなり店のドアが開く。するとそこには彼方の姿。

「お前等な……」

彼方は後ろ手にドアを閉めると大袈裟に肩を竦めて、業とらしく溜息を吐いた。

「彼方!」

俺は彼方が来たことが嬉しくて、ソファから立ち上がって彼方の元に歩いた。


蒼は俺が座っていたその隣から微動だにせず、右手だけ上げて応えていた。

「ほら、廉」

彼方から渡されたのは俺と蒼の学生鞄。

「サンキュ!」

俺は二人分の鞄を受け取ると蒼のいる場所に戻った。

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あきゅろす。
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