幼馴染み
13
唇を舌で舐められると、擽ったくて反射的に口を開く。するとそこに、蒼の舌が滑り込んできた。
って、俺!!
「痛っ」
ハッと我に返り、口腔内に侵入してきた蒼の舌に軽く噛み付いた。
軽く、と言ってもやはり痛かったみたいで蒼が唇を離す。
「#=〜ー゛※!!」
言葉にならない声が俺の口から零れた。
「廉、落ち着け」
これが落ち着いてられるか!
そもそも、何で舌入れられそうになった俺だけこんな動揺してるんだよ!
「もっかいキスするけど?」
クイッ、と顎先を捕らえられて蒼と瞳が絡んだ。
言葉通りに近付いてくる蒼。
俺は慌てて首を振り、
「落ち着いた、落ち着いた!」
俺の声が出ると、顎を持つ手も引っ込んだ。
俺は安堵の息を吐き出したが、身体も力が抜けてしまったようで足に力が入らない。
「わっ!」
突然、足腰立たなくなった俺だが元々蒼に抱き締められていたために、コンクリートにへばり付くハメにならずに済んだ。
「危な……」
蒼にしっかり抱き締められながら、顔が火照るのを抑えられない。
「廉?」
きっと、俺の顔、真っ赤だ。
しかしそんなことは知られたくなくて、蒼の胸元に顔を無理矢理くっつけて隠した。
蒼はきっと不思議だろうに、俺を無理に引き剥がそうとしなかった。それどころか、抱き締める腕が一層強くなった。
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