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幼馴染み
12

「あ、そうだ。廉、消毒」

「え?」

消毒……?
俺、怪我してないけど。


そんな当たり前の疑問が頭の中を駆け巡る。

「蒼、俺、怪我はして……」

考えても無駄だと悟った俺は蒼に聞くのが一番手っ取り早いと思って聞き返そうとした。


だが、言葉は完璧な文にならず途中で終わりを告げた。


――――ッ!!


太田先輩なんかより、遥かに整った顔立ち。それは目を閉じてたって隠せるような物じゃない。睫毛も鼻も肌も唇も、輪郭でさえ形の良さを強調して存在している。


そんな完璧な蒼の顔が、お互いの鼻同士がくっつく程間近にあって。


唇に至っては、その柔らかさを直に感じる――――…と言うか。


蒼にキスされていることを認識するのに、馬鹿みたいに時間がかかってしまった。


一度離れた身体が再度密着していた。俺は抵抗するでもなく無意識に蒼の服の裾を引っ張った。


蒼は拒否らないと思ったのか、俺が服を掴んだ時、そこで漸く俺の身体を支えるように腰に腕を回して引き寄せてきた。


――――オカシイ、俺。
太田先輩にキスされた時はあんなに嫌で騒いでたのに。……何で落ち着いてるんだよ。


――――何度も何度も、啄むようにキスされた。
その行為は嫌なんかじゃなく、むしろ、もっとして欲しいと感じてしまうくらい優しくて…――――。

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あきゅろす。
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