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幼馴染み
5

「わっ!」

突然、グイッと強引に顎を取られて上を向かされた。


何事かと思い太田先輩を直視していたら、少し頬を染めた先輩と視線が絡み合う。

「廉……」

初めて、先輩から下の名前で呼ばれた。


――――ゲッ!!


本能的に身の危険を感じ取った俺は慌てて先輩の胸板を押し返そうとするが、片手だけじゃどうにもならない。


そもそも太田先輩もバスケ部なだけあって、優に185p以上は確実にあるし体格から考えてみても俺が力で敵うはずもなく。


まるでスローモーションのように顔を至近距離まで寄せてくる太田先輩の整った顔を、間近で見ていた。


存在感のある、二重の瞳は今は閉じられていて。


睫毛長いなぁ、とか。
綺麗な肌だなぁ、とか。
鼻高いなぁ、とか。


欠陥部分なんて、なさそうな風貌。危機感をどこかに置き忘れてしまった俺。先輩を分析していたら、その形のいい唇と俺の唇が重なって。

「………!!」


キスされている!


と気付いた時には、先輩の柔らかな唇が俺の唇を塞いだ後だった。

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あきゅろす。
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