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幼馴染み
3


「廉ー!お客さん!」

クラスメートの呼び声に俺は入口を振り返った。すると廊下側から顔を出して姿を現したのは……、

「太田先輩!」

太田 斎(オオタ イツキ)
俺より一つ年上で、中学時代バスケ部だった俺の先輩でもありキャプテンだった。


太田先輩は俺の声でこちらに気付き、爽やかな出で立ちでフッと微笑んだ。


うーわー!!


バスケ部でお世話になった先輩。そして一番仲良くしてもらって、俺が憧れていた先輩――――。

「行ってくる!」

蒼と彼方を放置して、俺は浮き足立ちながら太田先輩の元へと向かって行った。


その頃。
廉と太田がどこかへ消えていった教室内では。

「いいのか?蒼」

「……何が?」

「分かってるだろ。太田先輩……あんまり、いい噂聞かないけど」

「男でも女でもイケる、来る者拒まず去る者追わず、だっけ?」

「あのルックスだからなぁ。ま、お前より人気は落ちるが、年下にモテるらしいし」

廉みたいに、と付け加えるとそれまで興味無さそうな表情を浮かべていた蒼の顔色が変化する。


そんなに気になるなら、追っていけばいいのに。

とは、彼方は言えなかった。

「そろそろ行ってくる」

「え……?」

「彼方が思ってること、実行してくるだけ。すぐに追ってったらバレるだろ?」

――――確信犯。


蒼を敵に回したくない、と彼方は本気で思った。

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あきゅろす。
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