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幼馴染み
2

「蒼!聞いてよ、彼方がキス……」

「蒼」

俺の台詞を遮って、彼方が蒼を呼んだ。

「キス?」

蒼は中途半端に言葉を区切るはめになった俺の台詞をそのまま繰り返し呟くと、途端に眉を顰めて思い切り嫌そうな顔をした。

「蒼。付けたの、お前?」

彼方が自分の首を指し示す動作をした。


すぐに意味を理解したらしい、蒼。

「あぁー……そう。俺」

不機嫌だったその顔は、一変して楽しそうに見えた。

「蒼ー!お前、何やってんの!」

そんなことを、今、初めて知った俺は驚愕に蒼の肩を掴んで揺さぶった。

「廉……気持ち悪い」

「あっ!ゴメン……」

しゅん、と落胆した俺の頭に手を置いて緩く撫でる蒼。

「まぁ、何って、廉が可愛いかったから、つい」

つい、でする行為かー?!


蒼や彼方に比べたら、恋人いない歴=年齢の俺だから恋愛に疎いけど、流石にキスマークの意味くらい分かるぞ!

「しかし、今頃気付いたって……ホント、鈍感」

心底呆れた、と言わんばかりの口調の彼方。


だって仕方無いだろ!
そんな素振り見えなかったんだし!


そもそもいつ付けられたかさえ、分からない。

「一体いつ……」

「昨日、抱いて寝た時」

「え?」

一人で考え込んでいたら、蒼が割り込んできた。そして漸く、自分が声に出して喋っていたんだと悟った。

「抱いてって……。お前等一体どんな寝方してるんだよ……」

さっきから彼方は呆れてしまっている。


どんなって、普通だ、フツー!

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