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幼馴染み
1

翌日。
昨日は遅い夕食でお腹を満たした後、またすぐに二人で寝た。


不本意ながら、抱き枕になって……。


「そこ、どうした?」

いつものように教室に入り席に座る。蒼は登校途中で担任に呼び出され、俺だけ先に来ていた。俺達とさして変わらぬ時間に、彼方もやって来た。

「え?」

自分の首裏を、ツンツン、と指で突(ツツ)く。

「何だよ、彼方」

痺れを切らした俺は頬を膨らませながら彼方に尋ねた。

「いや、だから、キスマークだろソレ。子供だと思ってたら……いつの間に。彼女出来たのか?」

「はぁ?何言ってんだよ!彼女いないし、ましてキスマークなんてある訳ないだろ!」

「ハ?いや、何言ってる、はお前だ廉。それをキスマークと言わずして、何をキスマークって言うんだよ」

「キスマークキスマーク言うな!恥ずかしいだろ!」

「あー……ハイハイ。廉、最近誰かと寝た?添い寝とか」

少し考える仕種をしてから、もう一度、彼方に問われた。誰か、と問われたら俺の思い付く相手は一人しかいない。

「添い寝?まぁ、蒼にはしたけど」

「――――蒼か」

顎先に手を宛てて、何か思案するように復唱する彼方。そこへ、職員室から蒼が戻って来た。

「どうかした?」

俺と彼方の雰囲気がいつもと違うと感じたのか、蒼は不思議そうな顔をしていた。

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あきゅろす。
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