[携帯モード] [URL送信]

幼馴染み
5

「もう……何なんだよ…」

彼方がいなくなった後、机上に頬杖をつきながらブチブチ文句を垂れる。いっそこのまま、昼休みは寝て潰してやろうかと思い始めた時、そいつはやって来た。

「廉!」

元気なその声は、今は悩みしか思い浮かばない俺にとって、もはや雑音にしかならなったけど。

「……安藤…」

「廉、日曜はどうしたんだよ?!」

安藤は前席にある椅子をガタガタと引きずり、俺の目の前に腰を下ろす。

「あぁ……うん、ごめん、な?」

日曜、と言われて思い出した。
元は蒼が仕出かしたこととは言え、それらしい抵抗もみせずに着いて行った俺は間違いなく共犯だ。
安藤との約束を破って中途半端に放置したのは、流石に申し訳なかったなと思う。

「あの後凄い大変だったんだぜー。湯河がいなくなったら女の子達カンカンでさ。二人が抜けて結構すぐに俺達も解散」

まぁ、普通に考えたらそうなるよな。だって女の子達は最初から蒼がいることが条件だったんだから……。

「れーん……」

まるで地を這うような低い声音で名前を呼ばれて、頬が引き攣った。

「うっ……。だ、だから、悪かったってば…」

「本当に悪いと思ってるなら、態度で示してよ?」

「態度って?」

「んー、俺にキス、とか?」

「無理!!」

素早く即答してやったら、安藤は頬を膨らませて抗議してきた。


そんな顔されてもデカイだけあって全然可愛いくないし……。

[*BACK][NEXT#]

5/9ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!