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幼馴染み
8

「えー、じゃ、近い内に廉の方から都合のいい日教えてくれる?」

「あ、そりゃ勿論」

一応この『デート』って、合コンのお詫びみたいなもんだしな。

「そっか。だったら今日のところは引き下がる。だから廉、携番教えて」

だから、って。
安藤……その接続詞、使い方間違ってないか?


そんな俺の謎をよそに、早く早く、と期待を胸に目をキラキラ輝かせている安藤の尻には尻尾がついててパタパタ振り乱しているように映る。


鞄から携帯を取り出して、俺達は赤外線で難無く番号交換を済ませた。

「やった!廉の携番ゲット!」

自分の携帯に唇を寄せてチューをかますその姿には、苦笑いを浮かべるしかない。

「安藤、喜びすぎじゃん?」

「喜びたくもなるって!湯河に邪魔されまくったこの数ヶ月、今日という日をどれだけ待ち侘びたことか……っ…」

いや、だからそれが喜びすぎ……とゆーか大袈裟すぎるんだって。

「じゃあ、廉、俺もう教室戻るな。連絡待ってるから!」

携帯をズボンのポケットに仕舞いながら、安藤は席を立つ。

「あ、分かっ……」

「じゃ、またな、廉!」

俺の返事も聞かないで、安藤はあっという間に教室からいなくなってしまう。

「早っ!」

あまりの素早さに小さくなる背中を笑いながら見送っていたが、今度は入れ違いで蒼の姿が飛び込んできた。

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あきゅろす。
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