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幼馴染み
6

「えー!湯河とはしてたのに!ズルイ!」

「だから、ズルイとか、そーゆー問題じゃないから……」

安藤のヤツ、前にうちに来た時に見た俺と蒼のキスシーン、未だ根に持ってるんだな。
可哀相に……。


俺が勝手に一人で安藤に同情していたら、また何か思い付いたらしい。
安藤はにっこりと満面の笑みで、俺の瞳を覗き込んできた。

「じゃあ、俺とデートして」

「……は?」

「だから、俺とデート!廉、俺に悪いと思ってくれてるんだろ?」

「そりゃ、まぁ……」

「だったら、デートでチャラにしてやるから!あ、勿論、湯河は絶対に連れてくるなよ!」

まるで念を押すみたいに告げて、蒼を警戒する安藤に思わず笑ってしまう。

「安藤、蒼のこと怖がりすぎじゃん?」

「湯河には色々されてるからな……!」

……確かに。
普段の二人の絡み方を見ていたら、「安藤の気のせい」だなんて気休めな台詞は口が裂けても言えない。


教室内を何度も見渡して蒼が戻ってきていないか確認する安藤の姿は、まるで猫みたいだと思った。


見た目大型犬なのに中身は警戒心剥き出しの野良猫って……ギャップありすぎだろ。

「あ!廉!今の内に携番教えて。デートするのに携帯ないんじゃ色々不便だしさ」

いつの間にかデートすることを前提に話が進んでいる。


ま、デートってのは安藤が勝手に言ってるだけで、本来は遊びに行くってだけだし。わざわざ断る必要もないかな……なんて。

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