幼馴染み
2
そりゃ、あんなことがあった訳だし、出来ることならまだそっとしておいてほしいって言うのも本心だけど……でも、いつまでも学校を休める訳ではないし。学校だって同じクラスで、家だって、俺と蒼に関して言えばプライベートなんてあってないようなものだし……。
だからまあ、そんなこんなで、余計に気まずい。
朝だって、蒼が迎えに来る前に家を飛び出して……。俺より少し遅れて教室に入ってきた蒼と挨拶は交わしたけど、トイレやら何やら、しょーもない嘘を重ねた結果、まだ一言も喋ってない。
「おい、廉」
昼休みになって、俺達の異変を見兼ねた彼方が、うんざりした様子で話し掛けてきた。
けど、その隣に蒼はいない。
ついでに教室内を見渡してみたけど、やっぱりクラス中のどこにもその姿はなかった。
蒼は一人で立っているだけでも十分目立つから、俺が見逃してるって訳でもなさそうだし……。
蒼は――――どこに行ったんだろ?
そー言えば、休憩時間になった途端、教室では見掛けてないような気もするけど……。
「彼方……蒼は?」
「蒼なら、いつもの呼び出し。それよりも廉、お前等何があったんだよ?」
「……ッ…なっ、何がって、何?!」
「いいから落ち着け。って、普段から騒がしい廉に落ち着きを求めるのは酷か……」
「ちょっと彼方!」
「ま、いーや。……で?どーしたんだ?」
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