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幼馴染み
13

滅多にお目にかかることのない光景に絶句していた俺だったが、流石に安藤が不憫に思えてきた。


だって、土下座した後に猫扱いだし。

「あ、蒼……」

俺が恐る恐る声を掛けると、安藤から手を離したばかりの蒼と目が合った。

「俺も行くから」

「……え?」

「合コン」

一瞬、聞き間違えかと思った俺。だから、きっと不躾なまでに蒼を凝視していたんだろう。
蒼の表情が一瞬だけ曇ったのを、俺は見逃さなかった。

「合コン、行くから」

二回連続ではっきり断言されたら聞き返すことさえ野暮なように思える。


しかし、俺が躊躇っていても、普段ならすかさず突っ込んでくるはずの彼方も何も言わない。

「……ま、来るなら来てもいいぜ?」

安藤は安藤で、通常なら食ってかかるはずの蒼の申し出を簡単に受け入れてるし、やけに挑発的だ。……ちょっと前まで首根っこ引っ捕まえられてた奴と同一人物だとは思えない。

「別にお前に許可貰わなくても行くし問題ない」

……それにしても、いつも以上に蒼が素っ気ない気がするのは俺の気のせい…?


どうするべきか悩んでいたら、不意に肩を叩かれた。ハッと我に返り肩に置かれた手に視線を向けてから相手の顔へ移動させると、そこには彼方がいて。

「あーなると考えるだけ無駄だからやめとけ」

確かに、彼方の助言は的を得ている。


――――結局、蒼と安藤は授業開始のチャイムが鳴り終わるまで終始睨み合っていた……。

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あきゅろす。
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