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幼馴染み
11

だって……。

「何で俺を合コンに誘うんだ?」

そう。
安藤はいつも通り現れたと思ったら土下座して、

『廉!俺と一緒に合コンに来てくれ!』

と開口一発に言い放っていた。


いや、俺だって、合コンに興味がない訳じゃない。
やっぱり、男だし。
ふわふわでいい匂いのする可愛い彼女、欲しいし。


ただ、何で俺?って。


安藤は基本、明るい。
気さくで友達も多いし、絶対クラスに一人はいるムードメーカー的存在な奴だ。だから、友達沢山いてそんな人望熱い安藤が誘うのが、何故俺なのか。


純粋に少しだけ、気になってしまった。

「頼む!」

「いや、だから……」

安藤は頭を下げるだけで一向に俺の話に返事をくれない。


俺は頭を掻き乱し、どうしていいか分からなくなっていた。


最後の頼みとばかりにもう一度蒼の方へ目を向けるが、途中でバッチリ瞳は絡み合うのにすぐに逸らされてしまう。


どうしてここまでして安藤は必死なんだろう、とか。
俺じゃなくて、もっと格好いい奴誘えばいいのに、とか。


色々思う所はあるけれど、一番気になるのは、どうして蒼は何も言わないんだろう、とか。


どうせなら、安藤に携番を聞かれた時みたいに蒼が断ってくれたら……。

「って、俺、何考えてるんだ?!」

「廉、思ってることが口に出てるぞ」

そう言って俺に呆れた眼差しを送ってくるのは彼方だ。

「え、あ……あれ?」

「ま、合コンに免疫のない廉が悩むのも分かるけど。どーする気?コレ」

未だ床に這いつくばっている安藤の尻目掛けて彼方は片足を繰り出した。

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