[携帯モード] [URL送信]
花粉症郁たん
この時期の愛しい恋人は、何をしている時にもイライラしている。

「ちょっと琥太にぃ!ちゃんとぱんぱんしてから上がってきた!?」

「ちゃんとしてきたぞ?」

「背中も!?足も!?全部!?」

「あー、したした」

「はい、嘘!ほら玄関に戻って戻って!」

俺と離れている期間に花粉症になってしまったらしい恋人は、花粉によって色付くこの季節に神経質が悪化するらしい。
常に花粉に対して威嚇を続けていて、見ていて面白くもあり心配にもなる。敵を陣地にいれぬように真剣にぱんぱんする姿は可愛らしい

「ほら終わり!まったく、何回言ったら自分でやってくれるのさ琥太にぃは」

が、
全身は悲鳴を上げていたり。そんなに全力で叩かないと落ちないものなのだろうか。疑問に思いはするものの、調べることはしない。面倒くさい。

「すまないな、ありがとう」

頭を撫でてやれば、ぶちぶち言っていた口を閉じて目を細める。この表情が好きだ、猫みたいで。

「…手、洗ってないのに触らないでって昨日も言ったよね」

「はいはい」

口から出た言葉がその人の全てじゃない。

「郁、」

「何?」

だって俺の恋人は、こんなにも可愛いのだから。

「…ばかにぃ」




あきゅろす。
無料HPエムペ!