[携帯モード] [URL送信]

We haven't hope yet.
人をまとめるのは武力じゃない、優しさだ
新八視点



互いの持つ情報を存分に言い合うと空は既に夕方

銀さんと来た真選組屯所にまたも泊まることとなった

銀さんは嫌がって帰ろうとしたが近藤さんに止められた

何故なのかはよく分からないが寝床も食事も湯船だってあるし特に問題視せずに了解した





土方さんに連れてこられたのは昨夜と同じ部屋である客間。二つの部屋が用意され個室を貸してくれた


「ありがとうございます」

お礼を言えば土方さんはぶっきらぼうに去っていった





「ちっ何だってこんな男だらけのムサイ空間にいなきゃいけないんだか」

「まあ、近藤さんにも考えがあるんですよ」




僕は銀さんをなだめるように言う

とりあえず今日は沢山ご飯を頂き、ゆっくりお風呂に浸かって、存分に寝よう












…寝よう、寝よう寝よう寝よう…











「…寝れない」




時刻は三時。外は暗い


どうしよう。寝れない

さっきからこの調子で僕の体は休もうとしない





喉が渇き水を貰おうと布団から出た

広い屯所は台所の場所さえわからない

ウロウロ歩き回っていると近藤さんの部屋から灯りが漏れていたのを見つけた



「…近藤さんも眠れないのかな」


そうだ、台所を聞こうと思い付き戸を叩くとどうぞ、と声がした


「失礼します」

「あ、新八君」



机に向かって書類を整理してた近藤さんは軽く挨拶をした。それに合わせてこちらも返す

「あの…、台所を探しているのですが」

「ああ、あっちだよ」



どうやら案内してくれるらしく近藤さんは廊下に出てきた

キシキシと音がする板を踏みつけながら僕は口を開いた




「あの、近藤さん。なんで僕等を泊めて頂けたのですか?」

「…チャイナさんがいないと、万事屋のやつは一人だろ?そんなの寂しいじゃないか」

「…そうですかね」

「万事屋はチャイナさんを娘のように可愛がっている。でもいきなり娘が居なくなった部屋でたった一人で居るなんて誰でも嫌じゃないか」






…銀さんの為に…だったんだ



伊達にこの真選組をまとめあげる局長と云う立場ではないんだな

今までの彼へのイメージはひっくり反った




「…ありがとうございます」




僕は台所に行きつき、水を貰うと部屋に帰った

ぐっすり眠るまであと何分か、そう考えているといつの間にか意識は無かった

[*前へ]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!