We haven't hope yet.
ワタシと神楽、神楽とワタシ
(神楽視点)
「ここ、埃は溜まってるし荷物もほとんどの無いから運び出されたんだろうね。いかにも使われてない倉庫ってとこだね」
相手は座ったまま倉庫内を見回していった
私は立ち上がりサーモンピンクの髪の彼に向かい合った
「私が抜け出すとか思わないんですか?」
「君にそんな勇気は無い」
「そんなの「わかるよ」」
何なの。彼のこの自信は。何故言いきれるの。どうして私を惑わすの
「本当に逃げ出したいなら普通言わないだろ。今から逃げ出しますみたいな台詞は」
「…誰かが助けに来るかもしれない」
そう呟いた声がしっかり聞こえていたらしい彼はさっきまでの笑みを止めた
「来るわけ無いよ」
また…だ
「よく考えてみな。君は、神楽であって神楽じゃない」
何を言いたいの…?私は神楽なのに
「その身体は『神楽』のもの。じゃあその心は何だい?」
「っ…」
「今まで君を助けようとしていた仲間は誰の為に動いてた?」
私…『神楽』の為
「一体何をどうしたかった?」
『神楽』の記憶を取り戻したかった
「仲間は、一体誰を想っている」
…『神楽』
そうだ。みんなは私じゃない
『神楽』を想って
『神楽』を助けたくて
『神楽』を取り戻したい
それだけなんだ
じゃあ…私は…?
私は誰にも…歓迎されなかった存在…
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