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We haven't hope yet.
初めて〇〇した過去を振り替えれ
(神楽視点)



『助けて』





初めてそう思ったのは何時だった?どんな時だった?

思い出せない

いや、わからないだけなんだ

きっと私はいつも助けて貰いたかったから










「!」

目を開き真っ暗な世界を見る。真っ暗と言っても月明かりなのか、軽く灰色にも見えた。否、藍色か?

「ど…こ」

私は確か…ショーケースの前で誰かに…
あぁそういえば

私は連れ去られたのだ。誘拐というものであろうか
不思議と怖くはない



「起きた?」
「!?」

突然頭上に現れた顔はさっきの…

「…っ…あの」
「無理矢理連れてきちゃってごめんよ」
「いえ」
「気分はどう?」
「…」



何なのだろうこの人は


「君にはちょっと意識を手放して貰いたくて薬を使ったからさ」



薬…?じゃああの時の苦味は薬の味だったのか

「あの、今って何時ですか?」
「夜中の二時くらいかな」



つまり日付が変わるまでずっと眠らされていたらしい

「ここは?」
「僕等の秘密基地」
「秘密…」
「冗談。ここは俺が適当に見つけた使われていなさそうな倉庫だよ」



ニコニコと笑う顔は微笑んでいるわけでは無いようで、表情が読めない

「…警戒してるね」
「当たり前です」
「でも怖くないんだ」
「…」
「素直だね。本当に、分かりやすいや」

何故私が警戒していることを知りながらペラペラと色々な話をしてくるのだろうか



「あぁ、起き上がってもいいからね」

彼はそう言うと私を上から覗き込むのを止めると数メートル先にあった積まれた鉄鋼に座った

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