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We haven't hope yet.
いきなり怒鳴るのはやめよう
(新八視点)



坂本さんや桂さんとわかれて、一旦万事屋に戻って、出て、走り回って…。一体何時間になったのだろうか


神楽ちゃんが居なくなってから幾分の時間が流れた
最初は万事屋に戻ってるのでは、なんて軽く考えていたことが今じゃなんの話だったかわからなくなる程に焦りが頬を伝う


「はぁ…は…」

こんなに走ったのは久しぶりだ
息をすること自体が辛く感じている

「ケホ」



きっと、今こうして止まっている間にも銀さんは走っているんだろうな


この弱い心なんか打ち消して





「ちょっとだけ…」




羨ましくて悔しくて、憧れた
そんなこと彼の前では言うつもりないけれど







「新八ィィィ!!」

「銀さん!居ましたか!?」




息を荒くしながら絶え絶えに聞く言葉はまるで金槌で頭を叩かれるような衝撃

「神楽が連れ去られた」
「…え」
「今、っ大串から…聞いて」
「そんな…待ってくださいよ!頭の整理が…」
「総一郎君が、拉致される現場に居合わせたらしいが…。返り討ちにあって「待ってくださいって!!」」

「…っ」

「…待って…ください…」






騒がしい筈の雑音も聞こえていない程頭の中はシンとなった











「…神楽ちゃんが…。誘拐されたんですね…?」

「あぁ」
「その現場に沖田さんが居た…」
「そうだ」




落ち着け。落ち着くんだ。混乱しているのは僕だけじゃない


「すみません。…続きをお願いします」





「沖田君がある人を追って偶然見た現場だったらしい。意識を失った神楽を一人の男が連れ去ろうとしていた現場をな」


「…はい」


「止めに入ったがどうやらその男は夜兎でな。傘の銃で足を奪われたみたいだ」

「夜兎?」


「そしてその夜兎は、どうも神楽に似ているという情報がある」
「!」


神楽ちゃんに…?それは…、そんな






「偶然なのか、必然なのか。そんな暢気な話じゃないよな」

ふうと溜め息混じりの息を出すと顔を上に向けた銀さんがその口から小さく呟いた




「沖田君が追っていたのは鬼兵隊の来島また子。神楽の事件を調べに病院行ったら確信犯に会って情報を聞き出そうとした瞬間、確信犯が撃たれた」

「…つまり鬼兵隊が関わっていることは確実…ですね」

「そうだ。…新八。覚えてるか…?鬼兵隊は過去に春雨と手を組んだ。そして神楽の兄ちゃんは春雨幹部」




上を向いていた顔を下に向けたその表情はいつもとは全く違う


「俺の深読みかもしれないが、今回の事件は鬼兵隊と春雨。二つの力が組み合っているかもしれない」

「…。深読みではないですよ。僕も同じ考えです」

鬼兵隊にとって幕府は落ちてもらわなければいけない存在。そして幕府を落とすという事に肩を貸している春雨



「説明がつきますね」
「あぁ。タイミング良く現れてくれて感謝だ」


鬼兵隊だけでもかなりの力なのに春雨と…。虎に翼を与えてしまったようだ

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