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We haven't hope yet.
人の心などわかりゃしないが心理ならわかる。ヒトだから
(客観的視点)



清潔感が滲み出る真っ白な世界に足を踏み入れればツンとした薬物の匂い
一言に薬物と言っても沢山の種類が混じっているせいで何がなんだかまではわからない


「真選組でィ。ここの院長は誰でィ」

そう言い放ちズカズカ乗り込む沖田は周りの目など気にしない
受付に向かい目の前の者を睨むように見下ろす

「院長でしたら…「申し訳ありません。今はご不在です」!先輩?」



受付に居たまだ若い看護婦…多分まだ仕事には慣れていないだろう
何かを言おうとすると隣からその場を奪うように若いとはいえ、ある程度手慣れた感じの看護婦が出てきた



「いや、居るはずでィ」

「…居ません」

「隠してるんだろィ?取り調べされたくないから」

「なっにを勝手に…!!」

こういう状況は真選組で幾度となく体験していた
強く苛立ちながら否定してくる相手は面倒臭い

「オレンジの団子頭」


しかし、人間と云うものは「悪いことをした」認識がある限り心は脆いのだ

今まで強気でいた目の前の彼女がビクリと肩を揺らすのを沖田は捉えた


「…あんたがチャイナの担当医の助手…。と言ったところかねィ」

「…え」

「カマァかけてみりゃビンゴだったって訳かィ」



満足そうに笑うその顔を見た看護婦は今までに感じたことのないピンチと寒気、恐怖に襲われた




「なんだね君達は…」

「真選組以外の何に見えやすかィ?」



看護婦に聞き出して(脅して)神楽の担当医の元に来た沖田
用が済んだ者、つまり例の看護婦はもう一人の隊士により屯所へと連れていかれた


「あんた黒田…ですかィ。聞いたことあらァ。臓器販売がどうのこうので幕府が殺し屋に依頼した…。…なんでここにいるんでィ」


にっこりとした笑顔の奥底に、刃のような光が感じたのはその空間内にいる全員の身を凍らせる程


「あ、れは…兄だ!!俺は真面目に…「『真面目に』?笑わせてくれやすねィ」…っ!」



「俺はあんたらがどうのこうのやらかしても興味はありやせん」

飄々としながら簡単に言う男だが何故か恐怖が伝わる

「だが、今回の件はお前達を只単に殺すだけじゃダメなんでさァ。さァ…FO74を提供してきた奴等は誰ですかィ?」

「なんでその名前まで知って…」
「真選組をなめちゃいけないって三歳までに習いやせんでしたかィ?」


言い終えた直後『ドン』と重苦しい音がなると悲鳴と共に目の前の医師が体勢を崩していった

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あきゅろす。
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