【リク】体育祭A*
おれは固まったまま息を潜める。
にも関わらず、しょうじはおむつのテープをそっと剥がし始めた。

っておいおい!
積極的なのは嬉しいけど、この状況でってドSだな?

おれの制する手をすり抜けておむつの前が開かれた。
おしっこ臭とちんこ丸出し。
素面に戻ってる時にこれって、超恥ずかしいんですけど。

ショオオオ…

やがておしっこの音が止んだ。
ふう。

ほっとした拍子だった。
おれがさっき変に我慢しながら出したせいで膀胱に残っていた尿が

ジョロッ

「あっ」
「うわっ」

慌てて口を塞ぐ。

二人分の声が一つの個室から聞こえるなんて、怪しまれるに決まってる。
しかも二重にきまずいことに、しょうじの顔面におしっこひっかけてしまったのだ。
前髪からポタポタと滴る黄色い雫…
そんな場合じゃないと知りつつもゾクッとしてしまった。

沈黙…
どうだ…?気付かれたか?


●(↓大城あきら視点)

小5のぼくでも知ってる。
学校のトイレはハッテンバっていうんだって。

つまりなにが言いたいかというと、そこに来ちゃったみたいな。

しかも今の声、聞きおぼえがあるどころじゃない。
聞きまちがうはずがない、兄だ。
中3になっても変わらずかわいらしく美しい兄ちゃん。
いつか変な男につかまるんじゃないかとひやひやしてたんだ。
それが…こんなハッテンバで…
これは弟としてなんとしてもかくにんせねば。
きんちょうしつつ、ドアをノックする。

コンコン

「あの、だいじょうぶですか?」

息を殺していても存在は感じられる。
何かこそこそ話しているようだ。
個室から話し声が聞こえるって、おかしな話だよね。
つっこんでも、いいよね。

「ねえ、そこにいるの、だれ?ひとりじゃないですよね」

すると、さっきよりもけわしい感じでこそこそ声がした。
もう、バレバレだってば。
バカじゃないのかこの兄ちゃんたち。
かわいいなあ。
からかいたくなるなあ。
それに、ぼくの兄ちゃんをたぶらかそうなんて、ただじゃおけないよね。

「あのう、出てきてくれませんか?ぼく、そこ入りたいんです」

あわてた感じの、ガサガサと衣服がすれる音。
出てくるんだね?
ねえ兄ちゃん、どんな顔して出てくるつもり?
ズボンを上げるだけにしてはやけに時間がかかるね。
それに言い合うような会話も聞こえるよ?

カチャッ、とカギが開く音。

ドアが開いて、見えた顔は知らない中学生だった。
てことは、こいつが兄ちゃんについてる悪い虫か。
で、兄ちゃんはどこにいるの?

「あっ、ごめんな、あの、まだ…」

ぼくはわざと子どもっぽく演技をして、お腹を押さえながら

「ああっ、もれちゃう!」

と、中学生のわきをすりぬけて中に入った。

「あっ、こら」
「げっ」

ドアの裏にかくれてた兄ちゃんとばっちり目が合った。
ぼくの姿を見て、自分の弟だと認識するやいなや、さーっと青ざめていく。
ちょっと、もう何このひと、かわいい。
兄ちゃんに対するいとしさの感情が、かぎりなく膨れあがっていく感じ。
もっともっと追い詰めて。その困った顔を見せて。

「兄ちゃん?かくれんぼ?」

「や、あの、」

目が泳ぎまくってる。ぼくの顔が見れないんだね。
言葉が出てこないまま、それとなく逃げようとする兄ちゃんをつかまえる。

「待って。行かないで。」

「…」

気まずそうにギクシャクしてる。
個室の外にいるもうひとりの中学生も、何か言いたそうだけど見てるだけ。

「兄ちゃん、まだひとりでおトイレ行けなかったんだね。それに、髪の毛濡れてるよ?どうして?」

「っ…そ、れはっ」

「ねえ兄ちゃん。これ何で濡れてるの?くんくん、へんなにおい。」

「やめろっ」

近づいてにおいを嗅ぐと、兄ちゃんはぼくの手をふりはらって離れた。
顔を見た。
泣きそうに歪んでる。
ああっ、やばい、かわいい。

ぼくは衝動のまま兄ちゃんの腰回りに抱きついた。

モシャッ

ん?なんか妙な感触。パンツにしては分厚い。
確かめるようにモフッモフッとおしり部分を揉む。

「あっ、こら、やめろ!」

ぼくの腕をひきはがそうとする。
えっ、でもこれは、見逃せないでしょう。

「これなあに?」

と言いながら、ズッと半ズボンを下ろした。

ガサッと音を立てながらあらわれたそれは、まぎれもなくおむつだった。
えへっ、なにこれ。
なにしてんのこの人たち。

「あ、の、えっと」

ここまできてイイワケなんか通用しないよね。

「おい、しょうじ、行くぞ」

あ、やっと悪い虫が動いた。
けどこんなところで逃がさないよ。
ぼくは兄ちゃんの両手首を掴んで、花が咲くような笑みでたたみかけるように言った。

「へえ、おむつしてんだあ。ぼくびっくりしちゃった。まさか中学2年生の兄ちゃんが、なんて思わなかった。なんで?兄ちゃん、おしっこやうんちガマンできないの?おしっこ近いの?お腹ゆるいの?」

「ち、違、これは…」

「え?ちがうならなに?ほんとはちゃんとトイレでうんちやおしっこできるのに、わざとおもらしするの?なんで?なんでそんなことするの?」

「…」

さっきまでのとりつくろおうとする表情から、だんだん心底傷ついたような顔になっていき、それが図星であることを察してしまった。
ぼく、ものすごく興奮してきちゃった。

「ねえ。どこでおもらしするの?いま運動会中だよね?みんながいる前でおしっこするの?うんちするの?」

あえて想像させるような言い方をして、変態な兄ちゃんをエッチな気分にさせようとする。
そのせいでぼく自身もすっごくゾクゾクしちゃってるんだけどね。
横からなんかあらい息づかいが聞こえたから見たら、あの中学生もおんなじ変態らしく、顔を真っ赤にしてた。

「ねえねえそっちのお兄さんはさ、なんでうちの兄ちゃんといっしょにおトイレ入ってたの?おむつつけてたの?」

「あ、え…」

ちょっと言葉につまってから、

「そうだよ、悪いかよ。べつに誰にも迷惑かけてねーし。」

いさぎよいな。
兄ちゃんとちがって男らしい。

「うん、べつに、ぜんぜんわるくないよ。ていうか、兄ちゃんをこんなに楽しませてくれて、ありがとうってくらいだよ」

「たっ、楽しんでなんかっ」

「楽しいでしょ?だって、ねえ?」

そう言っておむつの上からおちんちんの部分をさわる。
かたくて熱くて大きいのがわかる。
ぼくのはまだこんなに大きくはならないけど、知ってるよ、勃起って言うんでしょ。
この間小学校で習ったし、その前からいろいろ読んで知ってるもん。

「うあぁ、さわるな…」

やばいかわいい声。

しびれを切らしてか、お兄さんが割って入ってきた。

「も、やめろって。えっと、お前、弟くん?なの?お兄さんたちもう行かなきゃいけないから、時間だから、ほら!」

強引にぼくの手から兄ちゃんをうばい返すと、ズボンを上げてあげ、手を引いて大またで去っていった。

ぼくはもう追う気は起きず、大人しくふたりを見送った。
トイレに取り残されたぼくのちっちゃいおちんちんは、ずくんずくんと、熱くうずいている。
ぎゅっとそこをにぎりこむと、じわぁーっときもちいいのが全身に広がっていって、鳥肌が立った。
頭がクラクラしちゃって、タイルのかべにコテン、ともたれかかって、その余韻を味わった。





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あきゅろす。
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