ぽん太
はじめまして
諸事情により会社事務所に所長が預かってきた『ぽん太』を連れてきた。
車からキャリーごと下ろし事務所に入りキャリーから出すとガタガタ震えていた。
なにもしないよ、大丈夫
声をかけてもしばらく震えていて、可哀想な位。撫でてあげようと、そっと手を伸ばすと全身で
びくっ
とする。
そっと撫でて、あげていると、ようやく落ち着いたらしく、バリバリ体を掻きながら、事務所内探検が始まったので、しばらく、ほっておく。
さて、ぽん太を観察、
両眼が真っ白で眼球に、ベッタリ目やにが張り付いている。
瞳は乾いていて、白い眼球には艶がない。
皮膚が全身真っ赤になっていて痛々しい。
おまけに所々に五ミリ位の大きさの……出来物?まさか、腫瘍?
体は痩せていて腰と背中の骨がくっきり見える。ウエストはペッコリへこんでいる。
なんて、ひどい状態だろう。ほかにも異常がありそうだな……痛くて痒くて辛いだろうに……
まずは病院に連れて行かなくちゃ。
最初の出会いから飼い犬だとは思えないほど、ボロボロの状態でやってきたぽん太。
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