F長編
結婚しないか?



「ユーリ結婚してくれ!!!」








ここはハイベール国王。
セヴィール王が治める緑豊かな王国。


ハイベール国王の第三騎士団の団長として所属するユーリ=ライアートは182センチの長身にひきしまった身体と銀の髪に薄い紫の瞳を持つ涼しげな美貌の男だった。


第一騎士団は城の護衛、第二騎士団は城壁、第三騎士団は街の外を守るのをそれぞれが専門としている。


第三騎士団は国中に出現する魔物と呼ばれる異形な生き物を討伐するのが主な役目で、魔物は非常に凶暴で人や街、家畜を襲い人々に恐れられている。


そんな凶暴な生き物と対峙する第三騎士団を束ねているユーリは若さとその美貌、剣の腕で街の人々から尊敬と憧れで見られていた。



今その美貌の持ち主は大きく目を見開いて固まっていた……ひとりの男によって……


「呆けた顔もいいな。一目惚れだ俺の嫁になれ」


ニヤリと笑い近づいてくるのはサンドライト王国の若き国王アルベリア=サンドライトだ。
艶やかな黒髪に吸い込まれるような金の瞳をギラギラとさせている。

後ろにはアルベリアの従者らしき男が手のひらを顔に当て脱力しているのが見える。


「仰っている意味がよくわからないのですが…」


一体この男は何をいってるのか、
なぜ男の自分に言うのか、
もしかして女に見えるのだろうか…
目が悪いのか?
と、色々な疑問がユーリの頭によぎる。


「そのまんまの意味だ。俺はユーリに一目惚れしたんだ嫁にこい」


ユーリの方が少し背が高いらしく少し下にある力強い金の瞳が見つめてくる。


「あの……私の性別は男ですが……」

「そんなことは知ってる、そんなでけぇ女がいたらびびるわ。」

「そうですか……」


ユーリの眉間にしわがぐっと一瞬よるがすぐに表情をなくした。
この男は一体何がしたいんだ?

少しじろりと睨むをアルベリアは腰に手を当ててニヤリと笑った。




「ふざけてるわけじゃねーぜ?俺は本気でいっているんだぜ?





ユーリ、俺の嫁になってくれないか?」




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あきゅろす。
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