短編
B
もう俺の手元に翼が戻ってこないと気がついてから、翼がなぜあんなにも俺の仕事を手伝っていたかというのにやっと気がついた。




生徒会役員である俺たちとは最低限の会話しなくなった翼。

こちらが悪いとは思いつつも、もしかしたら翼なら……と、期待を込めてそれについてどういうつもりなのか問いただす……


俺たちがあの日生徒会室で話していた翼のことを言ってきた。
ひとことひとことしっかり覚えられている俺たちの言った言葉。
仲間だと……恋人だと信じてたが自分の勘違いだったというその言葉にどれほど翼を傷付けたということに今さら気が付いてしまった。


ほんとは翼が好きで、俺に従順な姿だけじゃなく色んな姿、顔が見たかっただけなんだ……
そう伝えたかったが叶わなかった……

翼を守る青空の出現に






「大変なことは半分こ」


この言葉を聞いたとき確かに翼は俺のことが好きでいてくれたんだと気が付いた。
従順なわけではなく、俺と一緒にいる時間を増やすために頑張っていてくれたのだと思うと涙がでてきた。

生徒会役員の仕事が終わらなければ会長である俺は帰るとこができない、だからこそ翼は他の役員の仕事も手伝っていたのだ……
そんな翼の気持ちを俺は最低な方法で試して踏みにじってしまったのだ……


あのとき素直に感情をぶつけておけば……

あのときあんなことさえ思い付かなければ……

あのとき追いかけていれば……

あのとき部屋に行けば……

あのとき扉を開けて抱き締めていれば……

最初から翼を信じていれば……

そんなことを思い俺は涙を流した。







空に向かっていってしまった翼を思い


俺には向けられなくなってしまった綺麗な笑顔




俺は優しいぬくもりのない毎日を送っている。




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あきゅろす。
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