短編
6
「あとさ俺の知り合いに翼のことを知ってる人がいてさ、そいつにも翼のこと紹介したいんだけどいいか?もし嫌なら会わなくてもいいし、会った後にそいつと合わない感じだったら二度と友達として会わせないしいいかな?」


陵が遠慮がちに知り合いにボクを会わせたいと言ってきた。
後半に変なこといってるけど……


「もしかして怖い人なの?」

「絶対に翼にだけは怖くねーよ!見た目は確かに怖そうかもしんないけど……いいやつだ」

「んー、それだけ言うならその人に会ってみたいよ。陵がいいやつって言うならホントにイイ人だと思うから」

「翼はまじでいいこだ!生徒会のやつらは一体翼のどこを見てたんだ!絶対に知り合いに会っても後悔はさせないからな!」


ボクがそう答えたことになぜか感動したらしい陵は思いっきり抱きついてきた。
ちょっと苦しいけど、友達の包容に嬉しさの方が勝って顔が勝手に笑顔になってしまう。


「じぁあ、明日の朝迎えにここに来るから用意しておけよ」


そう言って陵は何故か窓から帰っていってしまった。









次の日、登校時間からちょっと過ぎたぐらいに迎えに来た陵と一緒に学校へ向かった。

昨日は夜にちゃんと寝れて、久しぶりに制服に袖を通した気がする。
少し時間が遅れていることで学園の生徒にも会うこともなく学校へたどり着き、陵の案内で知り合いがいつもいるという屋上へと階段を登って行った。




ドアが開くと雲ひとつない綺麗な青空がボクの上に広がっていた。


「うわー!陵!ボク屋上に来たの初めて来たよ。最近夜空しか見てなかったけど青空って気持ちいいね」


嬉しくて案内してくれた陵をお礼を言いたくて、見上げていた顔を下に戻して視線を正面に向けると、たくさんのカラフルな頭をした人達がいた。

「!?……りょ……陵!?」

「大丈夫だ。ここにいるのはみんな俺の知り合いだから」


こんなに沢山の不良を見たのが初めてなボクは軽く涙目になって陵の後ろに隠れた。


「知り合いって、昨日言ってた……??」

「あー、紹介したい知り合いはあそこにいる人だけだから」

ボクが知り合いってここにいる全員なのかと思ってビクビクしてるのを笑い、陵は目線で紹介したいといっていた人を示してくれた。


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