短編
2
悪夢は現実でした。



次の日、生徒会室のドアの前に着いてドアを少し開けると中には拓に生徒会の皆、それと転校生もいました。
みんなは楽しげに会話をしているようで、入りにくく少し開けたドアの前に立っているとボクの名前が出てきたのでつい話を盗み聞きするような形になってしまいました。


「ねー。補佐いつもは早いのにまだきてないよねー」

「あ!昨日の走り去ったヤツ?どんなヤツなんだよ!?俺に声もかけないで走り去るなんて悪いヤツなんだろ?!」

「そうですね。なんというか時々見ているとイライラするときがありますね」

「………イライラする……」

「やっぱり悪いヤツなんだな!」

「なんていうかー、いつも笑っててムカツクよねー」

「みんなソイツのこと嫌いだったんだな!拓もそうなんだろ?!」

「ああ、従順すぎてつまんねーヤツだったな。見ててムカつくし、言いたいことも言わずいやがって腹が立つヤツだ」

「そっか!悪いヤツはみんなから嫌われてるんだな!俺を、見習えばいいのになソイツも!」


そのあとの会話は耳に入ってこなくてボクはまた走って逃げたんだ。


知らなかったボクはみんなにあんなに嫌われていたんだ……


大好きだったのはボクだけで拓はボクのこと嫌いだったんだ……


あんなにたくさんキスをしてくれたのも、たくさん抱き締めて一緒に眠ってくれたのもウソだったんだ。

地獄に叩き落とされた気分だった。

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あきゅろす。
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