短編
7
あれから二週間と一日。

相変わらずオレは月曜日と木曜日になると昼と帰りに天羽の教室にいくという生活が続いていた。
変わったことといえば……


「三井、帰るよ」


教室のドアに気だるげに寄りかかった天羽がオレを呼ぶ。
天羽の登場にクラスの女子が少し浮き足立つが天羽は気にすることもなく寄りかかったままオレを見ている。


「すぐ行くー」


オレは返事をして慌てて鞄に荷物を詰め込み天羽のところへ小走りで行った。


「お待たせ!」

「ん、じゃあ帰ろうか」


いつも通りの気だるげな表情な顔で帰りを促す天羽。
実はあの日から天羽は教室までオレを迎えに来てくれるようになった。

そして今日は金曜日だったりする!

相変わらず月曜日と木曜日は昼と帰りはオレが天羽を誘いに行くが、それ以外の曜日は天羽が誘いに来てくれるようになった。

もう不安がられて三井に逃げられるのやだし……
ちょっと照れながら拗ねたようにそう告げる天羽は文句なしにオレにはかわいくてかっこよく見えた。

少し心に余裕が出来たからかよく見ると天羽は分かりにくいながらもオレを大事にしててくれたみたいだった。
教室に迎えに行くときは本を読んでたり友達と話していたりはするが体はすぐ答えれるようにドアの方向を向いていたり、
帰り道並んで歩いていると必ず天羽は車道側を歩いているし、元々天羽は左肩に鞄をかける癖があるみたいだがオレと歩くときは右肩にかけている。
これらは付き合った時から変わってない。

ほんとにちょっとしたことだが改めて天羽を見ているといろんなところでオレを気にかけていてくれることが分かってなにやらものすごく照れくさくて嬉しかった。


「なに変な顔してるの?」


二人でいつもの帰り道を歩きながら考えていたら顔に出ていたらしくて、天羽はちらりと視線を寄越して聞いてきた。


「変な顔って……なんか天羽が分かりにくいながらも本当にオレのこと好きでいてくれるんだなーって考えてた」


オレの答えに天羽は目を少し細めてから前を向いて「ふむ」と頷いた。
そのまま歩いている天羽の横を歩きながらも変なこと言ったかな?とか考えていると……
トントンと肩を軽く叩かれ天羽を見上げる。








「好きだよ。紺」


突然耳元で囁かれて頬に柔らかい感触がした。


「ッ?!!」


ビックリしすぎて声のでないオレを見て優しく笑った天羽。


「どうも僕の恋人は僕の感情が分かりにくいって考え事しちゃうみたいだからどれだけ僕が紺を好きかしっかり分かってもらおうかな?」





公園のあの遊具の中でも、僕の家でも好きなところ選ばせてあげるよ?





そう言って笑ったオレの彼氏はいつもの気だるさをぶっ飛ばして、なにやらヤル気を出したみたいです……


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あきゅろす。
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