短編
6
「この際だから全部言うけど……好きになったのは僕の方が先だから」
目を反らしたまま天羽は小さく呟いた。
「え?え?」
「三井……入学式のとき、中学からの友達かなんかと笑って喋ってただろ?そのときに一目惚れした」
「へ?一目惚れ?」
このオレに一目惚れ??
「ど・ど・ど・ど・ど・どういう意味?」
「どどどうるさいよ。僕だって意味分からないから説明できないよ。ただ笑って楽しそうにしている姿が目に焼きついて……その後から三井が教室の前通ると姿を追ったし、友達と楽しそうに話してる姿を見てかわいいと思いつつも嫉妬したりもした」
少し反らしていた顔を正面に戻してオレの顔をじっと見詰める。
近くで見ると天羽の整っている顔がさらによくわかる。
ーーーかっこいい
天羽の顔をボンヤリ見ていたらまた赤くなった。
「三井……声にでてるから……」
「ふへほ?!」
そう言って天羽は驚いてへんな言葉を発したオレのおでこにおでこをくっ付けてきた。
涼やかなイケメンがアップになる。
「あの時まさか君から告白してくれるなんて思ってもいなかったから咄嗟にちゃんと返事ができなくて……あんな返事になってごめん。でも断ったつもりなんてないからこれからも一緒にいてほしいんだけど……」
オレは声も出せない位に心臓がドキドキしすぎて、コクコクと頷くのが精いっぱいだった。
オレが頷いたのを見ていつも気だるげでクールでかっこいいとみんなが噂をしている天羽は本当に幸せそうな綺麗な微笑みをして顔を近づけてきた。
近づいてくる顔にオレは目を閉じた。
ーーーオレ達二人は小さなドーム型の遊具の中で何度も何度も唇を合わせた。
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