長編
7
…………なんだろ?なにか忘れているような〜……




はっ!

イケメンさんが廊下で待っててくれたんだ!

ここは一応生徒会顧問室だから風紀として遠慮したみたいで廊下で待ってるって言ってたんだった。


「如月先生、ここまで送ってくれた風紀のイケメンさんがいたんだった。廊下で待っててもらってるんだけど入ってもいいよね?」

「お?送って貰ったのか、アイツが来てから物騒だからいいことだな。よしどいつがいい仕事したのかみてやる」


なんか事件でもあったのかな?物騒って言うことは……?
そんなことよりイケメンさん連れてこないと。


廊下にでると壁を背ににもたれ掛かり横向きに窓から外を見ているイケメンさんがいました。
さすがイケメンさん……外を見て立ってるだけで絵になりますね。


「ごめんね。廊下で待たせちゃって」


「そこまで待ってはいないから平気だ」


窓に向けてた視線をこっちに向けて、ニコリと笑うイケメンさん。


うわわ!かっこよすぎ!!


「お待たせ〜風紀委員さんだよ〜」

「失礼します」


オレに続いて挨拶をしながら入ってきた、イケメンさんを見た如月先生口を大きく開けて固まってた。


おお?


「如月せーんせ、どうしたの〜?」


連れてきたイケメンさんがイケメンすぎてビックリしちゃった?
口を開けたまま固まった先生の目の前で手をヒラヒラさせるとハッ!っと我に返ったみたい 。


「まさか風紀のが来るとは……一瞬まじで驚いたわ……ほらよ、辞任の書類だ。今書くか?」


風紀の?ちゃんとオレ風紀の人が送ってくれたっていったのに?聞こえてなかったのかな?
頭の上にハテナマークを飛ばしまくってると如月先生が書類を渡してきた。


「うん、今ここで書く〜。また如月せんせーのところ持ってくるのめんどくさいも〜ん」

「めんどくせーとか言うなちゅーに。まぁ、ここで書いたらそのまま受理してやるよ」

「わーい、ありがとーせんせー!」


如月先生にお礼を言って振り返り、イケメンさんにまだ待っててくれるか聞いてみよう。


なんか離れがたいしね。


「オレ今からこの書類ここで書いちゃうけどいいかな?まっててくれる?」

「ああ、ちゃんと待ってるから書くといい」


おおー。
流石にもう帰っちゃうかなと思ったけど待っててくれるんだ 。
嬉しくてにぱーっと笑っちゃう。


「さっさと書いちゃうから待ってて!」


なんでかわかんないけど待っててくれると思うと嬉しいなー。


ルンルンで書類に記入しだしたオレは優しい目で見つめるイケメンさんと、「なんだこの付き合いたてカップルな雰囲気は……」と呟く如月先生には気がつかなかった。


うーん、辞任理由どうしようかなぁ他の役員のマリモ飼育に腹が立ってとか書けるわけないし、一身上の都合でいいかな〜。

よし書けた。


「せんせー書けました。これでもうオレの書くとこない?」


書き上げた書類を如月先生に渡すと確認して
くれる。


「んー……ねぇな。まぁ生徒会長のサインもいるがそれはこんな状況だから無理だって説明しておいてやる。……他は俺の生徒会顧問と風紀委員長のサインだけだな」


サラサラっと如月先生が生徒会顧問のところにサインをしてくれるのを見つめる。
そっかそっか生徒会と同等の権利を持ってる風紀のサインもいるのか。


「じゃあ、オレ風紀委員室に行ってこようかなぁ〜」


階は違うけど遠くないしこういうのはさっさと終わらせたいしね。


「はぁ?なんで風紀委員室いくんだ?」


そういうと如月先生が変な顔してこっちを見てくるから、ちょっとムッっとしてしまう。


「だって風紀委員長のサインいるんでしょ?せんせーが行くの?これオレのことだし自分でサイン貰ってきたいんだけど……」


オレが辞めることで風紀委員にたくさん迷惑かけるだろうし、菓子折り持っていきたいぐらいなんだけど。


「…………」


如月先生がなんとも言えない表情で見てくる。


「風紀委員室に持っていかないと風紀委員長のサイン貰えないでしょ?」


ちょっとムッとしてそう言うとものすごい呆れた顔して見られたうえにさらにため息つかれた。


「行かなくてもサインは貰えるだろ?」


なんで行かなくても貰えるのさー!
そのかわいそうなこ見る目やめてー!


むーっとしてしまい突き出た唇をむにっと如月先生につままれて、グイっと後ろを振り向かされる。
唇痛い!首痛い!


「お前の後ろにいるじゃねーか、サインをしてくれる風紀委員長さんがよ?」


変な体勢で触れ向かされた先には風紀委員のイケメンさんが立っていました。


「ッむぐ!?ッんむぐ!?」


唇摘ままれたまましゃべったら、如月先生が「なにいってんのかわかんねーよ」と言ってるし。
じゃあ唇摘まむのやめてよね!


ドア付近に立っていたイケメンさんは近づいてきて如月先生の魔の指からオレの唇を解放してくれた。


「知らなかったようなので自己紹介をさせてくれ……風紀委員長を務めている城戸 龍也(キド リュウヤ)だ。末永くよろしく頼む」


そう言ってニコリと笑ったイケメンさん。



マジデスカ?



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