長編
18
「……長谷川、少し時間あるか?」

「…少しならな」

わたわたと智の背中に隠れてみる。

「お前ら少し見廻りに行っておけ」

風紀委員長が風紀委員の人らに言うと「はい!」と返事が返ってきてすぐに全員出ていった。




「……長谷川、後ろのはなんだ?」

全員が出ていって扉が閉まったのを確認すると風紀委員長が話しかけた。

「……なんのことだ?」

やだん、ばれてる。
智がわからないふりをしてるけど、さっきバッチリ目が合いましたぜ。

「長谷川の背中に隠れてるのだ」

「チッ…視えるのか」

「かなり薄くてお前の背中に隠れてたから分からなかったが、離れて動きだしたから気が付いたんだが…」

ぎゃあああああああああ!!!
智様!物凄い目で見るのは止めてください!

「てめぇぇ、なに見られてるんだよ」

「いやいや、だってクラス回ってる時だって付いていったけど誰も気が付かなかったじゃーん」

だから大丈夫だろうと思ってた。
今までだって見つけられてことないし。

「チッ」

舌打ち?!
舌打ちした?!

「長谷川…独り言に見えるがソイツも口動いてるということは話せるのか?」

「ああ?…なるほど中村には聞こえないのか」

「姿がうっすら視えるぐらいだ」

風紀委員長の名字は中村さんらしい。
中村風紀委員長は顎に手を当てて少し考え込む。

「…そうか、確かに長谷川の家はそうだったな」

「まぁな、だから姿もハッキリ視えるし、話もできる。こいつは害のない霊だから気にするな」

「本当に大丈夫なのか?」

むむむ?
中村風紀委員長がじっと見てくる。
こわいこわい。
智の背中に隠れる。

「……大丈夫そうだな…隠れたぞ?」

「顔が怖いんじゃねーのか?まぁ、何かやらかしたら封印してやるから気にするな」

そのセリフにオレが気になるわ!!!

「オレあんなにがんばって智手伝ってるのに扱いひどくないか?」

泣いてやる。

「後ろでいじけだしたぞ?」

「気にするな」

気にしろよ!!!



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