長編
14
廊下に出ると空き教室をちょっと過ぎたところで転校生くん達は立ち止まってワーワー言ってる。
すぃ〜っと近付き、転校生くんの首筋に手をあて一気に吸い込む。
「うわぁぁぁぁぁぁあ!!!」
叫び声をあげながら転校生くんがしゃがみこんだ。
「どうしたんですか?勇気!?」
「どうしたのぉ?!」
「どし…た?」
三人が突然叫びだした転校生くんを心配して駆け寄る。
「な、なんかまだ一気に力が抜けたんだ!」
力抜けたわりには声でっかいな、うっさい。
「だ、大丈夫ですか?」
副会長がちょっとビビりながらも聞く。
会計と書記は完全にびびって固まってる。
副会長の首筋に手を当て少しだけ吸い込む。
「ッ!?!な、なんですこれ?」
カクンと膝をつく副会長の顔は真っ青だ。
「ふ、副会長ぉ…もしかして…」
会計と書記のも少し吸い込む。
「きゃーー!」
「…!…!?」
真っ青になって叫ぶ会計。
しゃべろや書記。
「いやーーー!こわいーー!」
「…!!!」
悲鳴を上げて走り去る会計に、無言で走る書記。
「俺を置いていくなんてひどいぞ!!」
そう言いながらものすごい勢いで走っていく転校生くん。
生気有り余ってんだな…すげーな。
置いていくなとかいいつつ、副会長置いていってるぞ?
副会長は腰が抜けたらしくてしゃがみんこんだままだから後ろに回り込んで脇に手を入れてよいしょと立たせてやった。
「ぎゃあああああああああ!!!」
立った副会長はいつもの気品をすべて投げ捨て悲鳴を上げて走りさった。
「ばいばーい」
いやー見事な走りっぷりだわ、
副会長を手を降って見送ってやる。
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