長編
27
オレの後にお風呂に入った龍也さんが首を傾げながらでてきた。
「なんで送風機が回してあったんだ?」
「ん?さっきオレがお風呂に入っていたとき龍也さんが脱衣場に着替えもってきてくれて出ていく時に、送風機みてたからてっきりカビ対策で回しておいた方がいいのかと思ったんだけどちがった?」
もしかして回さなくてもよかった?
「それでか、(あるところが元気になりそうだから目を反らしただけなのだが、すりガラス越しでも素晴らしかった)ありがとう」
おお?なんか凄くうれしそう。
回しておいてよかったかも〜。
ピンクのカビってイヤだもんね!
二人でソファに座りテレビを見て話をしたりと、ここ三週間ですっかり忘れてた部屋でくつろぐという人間らしい生活に感動をしていると、そろそろ歯磨きして寝ようかという時間になった。
「陽斗の歯みがき粉すごく甘そうだな」
「え?そう普通に売ってるやつだよ。それよりも龍也さんの歯みがき粉どこの?見たことないんだけど?」
洗面所で二人で歯磨きしようとして持ってきた歯磨きセットを取り出すと龍也さんはオレの持ってきた歯みがき粉に興味を示したからオレも龍也さんのを見てみるとなんかやたらと高級感溢れる見たことない歯みがき粉だった。
「家で使ってるのだからよくわからないな。それよりも陽斗の歯みがき粉使ってみたいんだがいいか?」
「え?いいけど……ピーチリーフミント味だよ?」
ものすごく合わなさそうなんだけど…
龍也さんはスッキリ爽やかなのが好きそう。
ミントも爽やかだけどね。
「かまわない。陽斗の(使った)歯みがき粉が使ってみたいんだ」
「歯みがき粉としては珍しいものじゃないけど……はい、どうぞ〜」
ピーチリーフミント味なんていう歯みがき粉は龍也さんからするとかなり珍しいのかな。
龍也さんは受け取った歯みがき粉を少し押し出しなぜかそれを凝視してる。
「別におかしな成分入ってないとおもうよ〜」
薬局で売ってるようなのだしね。
フッ素なら入ってそう。
「いや、いつか本物を味わえたらよいなと……」
「え?」
「!……いや、なんでもない」
本物?ピーチリーフミント味を食べてみたいのかな?
なんの疑問も持たず使ってるけどよく考えるとピーチリーフミントってなんだろう…
桃の葉っぱのミント味ってことかな?
ピーチ味ってわけじゃないだろうし……うーん?
「これはそんなに辛くもなくちょうどいいな、陽斗が使っているならこれに変えるかな」
オレがピーチリーフミントについて考えている間に磨き終わってたみたい。
どんだけピーチリーフミントについ考えてたのやら……それよりも……
「え?龍也さんもこれつかうの?」
「ああ、俺も気に入ったし同じものを二人で使うか?」
嬉しそうに歯みがき粉持ち上げる。
龍也さん気に入っちゃったみたいで同じ歯みがき粉使うんだって〜
おお〜なんか龍也さんがピンク入れ物の歯みがき粉を使っちゃうとかギャップがものすごいことになりそう。
学園のチワワちゃん達がキャーキャー言いそう。
ポヤポヤとチワワちゃんたちのことを考えつつ歯をピッカピカに磨きました。
「(棒を口に含みモゴモゴさせる陽斗は素晴らしかったな)さて、そろそろ寝るか」
「そうだね〜。オレ、ソファで寝るからなにか掛けるもの貸してもらってもいいかな?」
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