長編
23
「 ごちそうさまでした〜おいしかったです」

食べおわった食器類を下げに来てくれた食堂の人にそう言って渡す。

あれ?

その人なぜか固まって動かなくなってる。
まさかの電池切れ?
そんなことないのは分かってるけど、ほんとに電池切れたみたいに動かない。


「もしもーし?」


食器を持っていない方の手を目の前で振ってみる。

フリフリ……フリフリ……
うーん、反応しない。
これはど〜したらいいなかなぁ。


「どうした陽斗?」


悩んでると奥から龍也さんが玄関にでてきてくれた。


「なんかね、食べ終わったの取りに来てくれた食堂の人が動かなくなっちゃって〜」

「あーなるほど。まぁ、突然出てこられたらな……」


簡単に説明しただけで龍也さんは分かったみたいで、オレから食器を受け取る。


「俺がやっておくから陽斗はお茶の準備でもしておいてくれ」

「わかった〜美味しいお茶いれておくね」


オレはそう言って部屋に戻り玄関に続くドアを閉める。
パタンと締まると、ベタッとドアに張り付いて耳をくっつけた。


「………しま……た……かくでみて………びじん……」

「……めて……かな……な……」


ボソボソとなんか言ってるのは分かるけど会話は聞こえなーーーい!
ちきしょ〜め!

なんで食堂の人が突然電池切れしたみたいに動かなくなったのかもきになるし、二人でなに話してるのかきになるーーー!


んもうッ!サッパリ聞こえない!!!
ちぇ〜……

無駄に防音め!

しょーがないからキッチンでお湯を沸かし、湯飲みにお湯を入れて次に急須に茶葉をいれる。
少し湯飲みで冷ましたお湯を急須に入れ、ゆっくりと交互に湯飲みにお茶を注いでいく。


お茶の正式な淹れ方とか分からないけど、おばぁちゃんがこうやって淹れてて、ご飯の後は俺がおじぃちゃんとおばぁちゃんにいつもお茶淹れてたんだ〜。


なつかしいなぁ〜。

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あきゅろす。
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