長編
9
茂さんとはこの学園の寮監であり、この学園のみんなのおじいちゃんでかわいい容姿の生徒のチワワちゃんも厳つい顔をした不良な生徒ももちろんへ平凡な生徒もみんなが親しみを込めて「茂さん」と呼んでいるんだ。


「茂さんに部屋の変更について聞きたいんだけど寮監室の番号知らなかったや」


このままだと部屋無し子は嫌だから最初に一人部屋の移動をしたかったんだけどな…
如月先生に聞けば分かりそうなんだけど、さっき学園長のところにオレの書類提出しに行ってくれたんだよね〜。
オレは背もたれのないクルクル回転する椅子に座って風紀委員長の城戸龍也さんは、パイプ椅子のちょっと豪華版なのに座っている。


「城戸さんは、寮監の電話番号知ってる?」


風紀委員長ならもしかしたら知ってるかもと聞いてみると、オレが注いだ緑茶を飲みながらこっちを見た城戸龍也さんが微妙な顔をした。
なんぞや?


「…名前…」

「へ?」

「名字ではなく名前で呼んでほしいんだが」


イケメンが見てくる。
名字嫌いなのかな?
オレの名字みたいに名前なのか名字みたいに分かりにくいのじゃなくてハッキリしてていいと思うんだけどなぁ。
和泉でお店予約すると、ほぼ名字でお願いしますとか言われるもんね…


「いいよ〜」


まぁ、嫌がることはしない方がいいよね〜。
オレは自分の名字も名前も両親からもらったものだから大好きだけどね。


「龍也…さん?」


さんはつけた方がいいのか分からなくてちょっと間が開いちゃった。
いいのか分からなくて首を傾げる。


「まて」


うおう?!
いきなり龍也さんが大きな手のひらで顔と目塞さいできて何も見えなくなる。
なになに?駄目だった?
ま、まさか


「もしかして…龍也様…がいい?」


まさかの様付け希望ですか?


「違うわ!さん付けのほうでいいから!少し喋らないでくれ…」


喋るなとかヒドス。
でも、なんか慌てた雰囲気が伝わってくる。
目を塞がれたままオレは大人しく待つことにした。

…上目遣い……様付けとか…飼うか…監kn…

ブツブツ断片的に聞こえるけどよく聞き取れないし目が覆われて見えないからぼんやりとしてくる。


手おっきいなぁ〜
なんか安心する〜
そーいえば最近あんまり寝てなかったから眠たいなぁ。


「眠いのか?」


うとうとしてきたのが伝わったのか、手を外されてのぞきこまれる。


「うん、最近ちゃんと寝てなかったからちょっと眠かっただけ〜」

「そうか…すぐ一人部屋出ていけとは言われないから部屋に戻って寝るか?」


お布団恋しいから部屋で寝たい気もするけど


「んー、特別階だと生徒会の皆に会いそうだから、やめておく〜。なにも言わず辞めちゃったから今は会いたくないかも〜」

「お前に非はないから気にしなくてもいいとおもうが…ちょっと待っていろ」


そういうと、龍也さんは少し離れて制服の内側からスマフォを取り出して操作し電話をかけた。




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