長編
8
風紀のイケメンさんから風紀委員長の城戸 龍也さんにジョブチェンジした彼がちょちょいっとサインしてくれたことで、完璧に辞任の書類ができあがりました。
なんだかあっけない。
「これを学園長に提出すればもうお前は生徒会から外れることになるがいいか?」
如月先生がオレに確認をしてくれる。
「いいよ〜。これでやっとあの書類地獄から解放されるんだよ。寂しい気持ちもあるけどスッキリした気持ちのほうが大きいんだ」
あんな広くて豪華だけど誰もいないあの空間にはもう戻りたくないかな。
「お?もっと悩んだりするかとおもったら、さっぱりしたもんだな」
辞任の書類のコピーをとりつつ如月先生は意外そうに見てきた。
たぶん今までのオレだったら一人でぐじぐじ悩んでるだけで何も出来なかっただろうけど、今は…
「風紀委員長さんが来てくれたときになんか吹っ切れたんだよね〜。もうがんばらなくてもいいかな?って」
ねーってイケメンさんこと風紀委員長の城戸 龍也さんを見てみる。
「よく頑張った」
はい!イケメンスマイル頂きました。
如月先生が後ろで「ラブラブなのか?」と呟いていたのはイケメンスマイルパワーで聞こえませんでした。
辞任の書類は後で如月先生が学園長のところに提出してくれるんだけど、オレが生徒会を辞めることでやらなくちゃいけないことがたくさんあるんだよね。
生徒会役員に与えられる一人部屋の権利がなくなっちゃうからオレは部屋の移動をしなくちゃいけない。
こな部屋は次の新しい役員さんが使うからね。
この学園は生徒手帳がなくてそのかわりにカードが発行されるんだけど、そのカードで食堂やコンビニの支払いができるクレジットカードにもなっていて生徒会役員のは一般生徒とはちがってシルバーカードって呼ばれる特別なカードなんだ。
生徒会室や資料室とか大事なものが置いてある部屋にもこのカードならある程度開けることができるんだよね。
オレは生徒会室しか開けたことないけど。
このカードも返却して一般カードに変えてもらわなくちゃいけない。
会計の仕事の引き継ぎなんだけど生徒会のみんながさぼっててどうすればいいのかわからないからとりあえず保留ってことになった。
そういえばオレがいなくなったら溜まってた書類どうなるのかな?誰がやるんだろう?
他にも全校生徒におれが辞任することを伝えないといけない。
あり?結構多いしなんかめんどくさそう。
とりあえず部屋移動とカードの変更だよね、これやらないとオレ家なしお金無し子になっちゃうわ!
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