[携帯モード] [URL送信]
04.



大道芸が終わり、客は次々と帰って行く中、私達はまだその場所に居た。

父が大道芸人の一人の、凄く人の良さそうな天然系ピエロと話がしたい、仲良くなりたい。と言って、そのピエロと話しこんでいた。
二人は楽しそうに話していて、見てるこっちは気分が良い。

「―ねえ、あれって君のお父さん?」
『―え?』

そう声をかけてきたのは、忘れもしないあの同い年くらいの男の子のピエロだった。

『うん、そう。あれ、私のお父さん』
「そうなんだ。あれは僕のお父さんなんです。マナっていうんですよ」

同い年くらいのハズなのに、所々敬語が混じってて違和感を覚えた。

『そうなの? だからピエロしてるんだ…』
「どうだった? 僕達の芸、楽しかった?」
『うん!楽しかった!
私大道芸って初めて見たんだけど、本当凄かったよ!!』
「有難う。楽しいって言ってくれて」
『君の芸も見てたよ!!本当凄かった!!
凄いね、私と同じくらいの年なのに…。私運動神経悪いから、そういうの出来るって羨ましい』
「マナに叩きこまれたから。
特訓すれば出来るようになりますよ?しますか?」
『うんや、遠慮しておく。それに、今君疲れてるしね』
「そうですか…。
あ、そうだ。僕たちまだ此処に留まるんですが…。また来てくれる?」
『絶対行くッ!で、終わったらまた遊ぼうよ!』
「それは良いですね」
「お―い、なまえ。帰るぞ―」
「アレン―。そろそろ次の準備をしますよ―」
『ありゃま、お別れだね』
「そうだね。じゃあ、また明日遊びましょう?なまえ」
『うんっ! えっと…、君、名前は?』
「僕の名前はアレンです、じゃあ」


この日は此処でアレンと別れた。
この時大道芸に行っていて良かったと本当に思う。
だってこの人が、私の――――。











4/9ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!