07.
―――
――あの頃の事をふっと思い出した。
思い出すと、アレンに逢いたくなって。
私の心臓がずきずきと悲鳴を上げる。
―あの日から数年たって。私は15歳になった。
アレンも15歳になってるのかなぁ。
きっと格好いいんだろうなぁ―。
アレンと別れたあの日から、ちょっとした事でもアレンの事を考えるようになっていた。
この花を見たら、アレンは綺麗って言うだろうな。
この本は、アレン絶対好きだって!!
――アレン今、どうしてるかなぁ。
こういう風にアレンと繋げてしまう。
つなげた時のアレンを想像するのが、楽しい。
―そもそも、何であの日の事を思い出したんだろ。
ふっとした疑問も、すぐに解決する。
私の目の前には悪党の住処みたいなお城。
どんよりとした雰囲気をまとっている。
『暗いなぁ…』
―此処が、本当に神の使徒の集まる場所?
にしては暗くって、不幸せそうだ。
私は、今日エクソシストになる。
私はイノセンスの適合者だった。自分でも信じられない。
私はエクソシストになって、貴方を守る。
世界の何処かで大道芸をして、子供たちを喜ばせる貴方が、命が尽きるまで道化師で居られるように。
何処かで逢えると信じて。
そう言えば…。
アレンのあの赤い左腕。
左手の手の甲に十字架の結晶があった。
―もしかして?
――いやまさか。
―――まさか、そんな漫画みたいな事。
「開門〜〜〜ッ!!」
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