04.
ついたのは教団裏にある大きな森。
私とラビはよくここで読書をしている。
―きっとここに居る。此処に居る!
想いがそう叫んで、私の足をまた動かす。
陽だまりの下、大きな樹木に寄りかかって読書をしている彼の姿が見えた。
―ラビ、ラビだ!言わなきゃ、言わなきゃ!
煩い、黙れ。
―何で? 言わなきゃ、言わなきゃ後悔する!
後悔なんてしない。もう、ピリオドを点けたから。
―ピリオド、まだついてないよ!
ついてるよ。
―諦めきれてないんでしょう?諦めたくないんでしょう?
だったら、行かなきゃ!ほら、早く!
もう良い、もう良いの。やめて、止めて…。
―駄目。絶対言わなきゃ後悔する。やらなきゃ分かんないことだってあ…
『煩いなあもう!!』
「!!?」
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