03. ある日、私の何かか壊れた。 「好き」の気持ちを詰めて、まだ沈めていない箱が壊れた。 「好き」の想いが増えに増え、箱から溢れ、心を埋め尽くす。 好き。好き、すき、スキ。 ラビの声が好き。 ラビの髪が好き。 ラビの瞳が好き。 「ラビ」という名前でなくなっても、 貴方自身が凄く愛おしい。 溢れだした想いは止まる事を知らず、心から染み出す。 染み出した想いは私の手足と脳を支配する。 想いの濁流に飲まれた私の理性。 想いだけで今、私は動いている。 教団内を駆け、愛おしい人の姿を探す。 心臓は今にも悲鳴を上げそうだ。 教団の人たちが私に視線を集める。 そんなのお構いなしに、私はただ、走る。 走って。 走って。 走った。 ← → [戻る] |