05.
さっき顔面キャッチしたところがひりひりと痛む。
今日は名前が居るからって張り切りすぎたんさ。
少しでもオレの良い処を見て欲しくって、
少しでもオレに興味を持って欲しくって。
空回りした気がする。
「今日はラビ気合入ってんな!」
走り際に友達が声をかける。
『当り前さ!なんつったって今日は―――』
名前が居るから――。
この言葉を飲み込んだ。
居ないのだ。
名前が。
さっきオレを見ていてくれた場所に居ない。
それが不安であり、不満であり。
オレは自棄になる。
―ポスッ
オレのシュートが決まる。
ピピピピピー――!!
ゲーム終了さね。
ゲーム終了直前にシュート決めるとか超カッコいいと思うんだけど。
「ラビやったな!!」
『ん?おう!!』
パンっとメンバー達を手を合わせる。
勝ったのは嬉しいのだが…。
折角イイトコロなのに見てもらえなかった事が残念で仕方ねぇんさ。
戻ってきたら問いただしてやろうか。
そう思っていると、顧問から今日の部活は終了だと告げられたから、着替えて待っておく事にした。
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