08
よ―す!!皆さんお早うございます。
ワイ、遠山金太郎言いますねん!
よろしゅう、よろしゅ……え、ああ、知っとるって?
まあそんなんど―でもええやん!
自分、ちょっとノリ悪いでぇ。
え―と、仕切りなおしまして。
ワイは今、非常に悩んどります。
そらもうひんじょ――っに!!悩んどります。
それは、隣の席の栗木田をどうやってマネージャーに誘おうかっちゅ―事。
オサムちゃんが栗木田をマネージャーにしたがっとるって聞いて、集まったんが今日の朝。
白石達は様子見や―ゆうとったけど、ワイはそんなん待てへん。
栗木田マネージャーで文句ないもん。
むしろ栗木田マネージャーやったら絶対オモロいでぇ!!
せやからワイは栗木田をマネージャーにしたいんやけ、ど。
『嫌』
「えぇ〜や〜ん!!
ワイらと一緒にテニスせぇへん?」
『絶対嫌、無理』
「だぁ―いじょうぶやって!!
それにな、白石がゆうとったでぇ。
無理やゆうて自分決め付けるんは悪い事なんやで―って」
『栗木田は自分の身の丈をよく知っとります。
残念ながらテニス部は栗木田の身の丈に余ります。
悪い事は言いません。他をあたりなさい』
「い―や―や―!!
他の女子なんてあかんねん!!栗木田にしか出来ん事なんやで!?」
『知らんし―!うち知らんし―!
もう本間やめてくれん!?
うちなんかがマネージャーなんてしたらフラグ立つんじゃ!!もうビンビンじゃけえな!?』
「たつとかビンビンとかエロいねん!
ワイ今そんな話しとらんやろ!?」
『エロいのは自分の頭じゃわあほんだら!!
そんな話うちこそしとらんし!
てかおめぇはあたしの話ちゃんと聞かんかい!!』
「それや!それやねん!!
そのツッコミが欲しいんや!!」
『それこそ他をあたらんか―い!!!!』
「無理や!無理やねん!!」
『無理とかゆうちゃおえんじゃろ!!
自分を決め付けたらそこで試合終了やぞ!!』
「せやかてコーチっては!!
あかん、ワイいつの間にかのせられとった!!
岡山県民の癖に…!こいつ、やる!!」
『ククク…フフフ……ハァ―ッハッハッハ!!
当たり前じゃ!!
うちは小さい頃よ●もとに入り山田●子の後を継ぎ、山田●子二世になる事を心に誓っとった女!!そこら辺の岡山県民と一緒にせんでくれる?
……………まあ、うちよりおもれぇ子なんてぎょうさんおったけど!!』
「おったら意味ないやろ!」
『ですよね―ってあんた誰ですか!!』
「はっ!!あかん、ツッコんでしもうた…!!」
『……あれ?あんた、どっかで…』
「あれ、謙也や―ん、何でここにおるん?」
『あっ!!思い出した!!
息切れスピードスターじゃ!』
「誰がじゃボケ!!」
『いやあんた以外おらんじゃろ!!』
「お―い謙也―、何やっとるん」
「あ、白石」
『あ、エクスタ豚』
「は?」
「あかん、この子ツッコミどころありすぎやわ…」
謙也がはあーっと溜め息を吐く。
何がそんなに疲れたんやろ。ワイ結構楽しかったで?
「あ、せや。何で白石達ここに来たん?」
「ああ、栗木田ちゃんに会いに来たんや。
…いや、覗くだけやったんやけどな、どっかの息切れスピードスターが…」
「お前もかいぃぃい」
「で、肝心の栗木田ちゃんてどの娘やねん」
「この子」
『あたしですわ』
「…………は?」
白石の笑顔にヒビ入った気がした。
「なんやろ―、何かイメージとちゃうんやけど」
『さいざんす栗木田はこのような女であり女でない人間。
遠山がどんな風に話したかは知りませんが一つだけ言わしてください。
期待したあんたらぁの負けですわ』
「……何か財前思い出すんやけど」
「奇遇やな謙也、俺もや。そして金ちゃん、自分の言った事何となくわかったわ」
「せやろ!?ピッタリやろ!?」
「どんな子か思っとったんやけど…、可愛えな、自分」
『だってよ遠山!!』
「え―、ワイ嫌やわ―。
ど―せなら栗木田に言われたいわ」
「てか自分そのかわしは無理あるやろ」
『だってよ息切れスピードスターさん!』
「いややから無理やって!!
てかまだその呼び方なんか!はよ直せ!!
でもさん付けてくれておおきに!」
『どう致しまして!』
「オサムちゃんロリコンやったんやな…。
ん、そろそろええ時間やな。次の授業始まるわ。
謙也―、帰るでぇ」
「あ、おい!待てや白石!!
あ―、後栗木田ちゃん!」
『はいはいほいほいなんぞなもし!』
「俺の事は謙也でええわ!
ええか?絶対息切れスピードスターとか言うんやないで?
あん時はな、ちょっと荷物が重かったんや!
辞書二冊入っとったんや!!」
『おうおうわかりましたぜ謙也!!』
「さんどこ行ったん!?」
「謙也、何やっとるんや。
はよ帰るで」
「あだっ!いでででででで!!
あかん!!ツーコンボ本間あかん!!
耳と髪掴むんやめぇや!!
なあ聞いとんの!?なあ!白石――…………!」
『…去って行きましたね』
「せやな」
『なんつ―か、嵐が去ったとはこの事ですね』
「ちなみに白石達もテニス部やで」
『まじで!?だからオサムちゃんの名前出て来たんじゃ!』
「結構ええ感じやったな!
これなら安心してマネージャー狙えるで!!」
『狙わんし!!
…………てか、誰もおらんくない?』
「そういや次移動教室や」
『はああああああ!?
ちょ、急がんと遅刻じゃがん!!』
「教室の鍵発見や―」
『でかした!
よ―しうちが出たらしめてな?』
「…………ほい、閉めたで」
『そんじゃあ急ぐで遠山!』
「ちょ、待って―な栗木田!!」
(おえん、疲れた。
もううちは走れん…)
(栗木田ッ!?)
(遠山、あんただけでも行き…!!)
(嫌や!!栗木田を置いて行くなんてワイにはできん!)
(ええからはよ行きなさい。
授業始まっとるで)
(えええまじか!
隣のクラスの先生ありがとう!!)
(栗木田、ワイの持っとって?)
(あ?……はい。
ぎゃああああああ!?)
(よ―し走るでぇ!
ちゃんと捕まっときぃや!)
(ちょ、ま!
エストニアスタイル本間おえんんんんん!!)
遭遇後接触。
テンポよくしようとすると、どうしても台本になってしまう…。まだまだだなあ。
2011.08/15
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