04
「よ―し杏子ちゃんに今回は四天宝寺テニス部のイケメン達を紹介だ!」
『良いから遠山早く早く!!』
「ちょ、落ち着いて!お楽しみは後から派じゃろ杏子ちゃんは!!」
『そうでしたその通りです。
じゃあちゃっちゃ行きまっしょい』
「はいはい、まずはこの人!わかるかな?」
透明な保護用のそれに入れられた写真はさながら芸能人の写真の様になっていた。
あ、ここではもう芸能人扱いなんだっけ。
栗木田目が悪りぃけぇ、写真を手にとって、顔に近付けた。
写真に写ってた人物は、髪の色素が薄かった。
ミルクティーみたいで美味そうだ。
あ、この顔は…。
『はい先生。この人はエクスタブヒィです』
「はい違います。
この人は白石蔵ノ介さん。
テニス部の部長をまた二年から勤めていらっしゃるだとか」
『また?』
「中学の時も二年からしてたんよ」
『へぇ―、頑張り過ぎて体壊さないとええなあ』
「そこは大丈夫!何たって白石先輩は健康オタクで有名だもの!」
『わあ凄いおじいちゃんみた―い』
「白石先輩は何もかも完璧なんよ!
だからか白石先輩のテニスでの通り名は"聖書"、バイブル何てカッコイイよな!!
そんな白石先輩を支える副部長が、…………えっと」
『? どうしたの?』
「…えっと、えっと。
そう!好物はパセリなの!」
『で、名前は?』
「はい次―」
『うわ、副部長さん可哀相』
麻梨紗ちゃんは副部長さんの写真(これは保護されてない)を乱雑にぽいっとした。
本間に可哀相である。
「お次はこの方!朝見たよね!!」
ばっと出された写真(保護されている)を出した麻梨紗ちゃん。
そこに写る人物は…。
『息切れスピードスター!!(ドヤァ』
「はい違います―。
忍足謙也先輩!金髪似合ってるよね!!」
『不良?』
「ぜ―んぜん!!人懐っこいから人気があるんよ!!
人気があるといえば石田銀先輩!人気っつっても主にお年寄りかな!」
出された写真に写るのは…。
『あはっ!間違えとるよ!!何仏様の写真出しとん!!』
「not仏,yes高校生」
『No,kidding!!!(うそでしょう!!!)』
驚きのあまり英語になっちまったぜてへぺろっ☆
「はい、四天宝寺のゴールデンお笑いコンビと言ったらこの二人!
一氏ユウジ先輩と金色小春先輩!!」
『なんか…この眼鏡の人、カマ臭がする』
「違うわ!金色先輩は乙女なのよ!!
乙女の中の乙女、キングオブ乙女なのよ!!」
『それクイーンじゃね』
「だって金色先輩男だもん…」
『あそっか』
「そんな金色先輩のパートナー、一氏先輩!
家がデザイナーだからセンス抜群。
小道具もお手製なんよ!!」
『それはフツーに凄いな』
「………金色先輩に恋してると言う噂を耳にした事があるわ(ポソリ」
ざわ…
ざわ…
「はいここで次に行きま―す!!」
『ぇぇえぇえ』
「自由奔放でジブリ大好き千歳千里先輩!」
『ややこしい名前じゃな』
「身長194センチぐらい、心優しい森のくまさんみたいな人ね。
以上、三年の紹介でした―☆」
『やっと終わった―!!』
「ハイ続いて二年の紹介〜☆」
『フェイントだと!!!?』
「うちイチ押しの財前光先輩!」
『あら好きそうなお顔』
「中身だってうちのドストライク!!」
『へぇ』
「誕生日は7月20日の蟹座でA型。蟹座と双子座って星座占いの相性あんまり良くないんだ―、あ―萎える!あ、利き腕は左ね!好きな食べ物は白玉ぜんざい、なにそれギャグって思うかもしれないけどこのCOOLな顔で好物がそれって超可愛くな―い!?家族構成はお父さん・お母さん・お兄さん・お兄さんのお嫁さんだからお義姉さん・甥っ子くんなんよ!前誰かが公園で甥っ子くんと遊んどるとこみたんじゃって!!本間羨ましいわ!さぞかし可愛いんやろなあ…。あ、お父さんの職業は商社の会社員な!得意科目は英国、苦手なのは古典。あ、そうやこれ言うとったっけ。趣味は音楽、つっても主に洋楽らしいけど音楽鑑賞なんじゃって!英語に強いのはそのせいかもしれんなあ!てゆ―か、洋楽とか本間かっこいい〜☆オシャレだし、本間財前先輩最高!!好きな映画はアメリで、好きな本は音楽雑誌とかもうなにそれかっこよすぎて鼻水出そう!あ、いかん、ティッシュティッシュ………………。そんな財前先輩の好きな音楽はイギリス系のインディーズ!もうなにそれえらいかっこよすぎじゃねぇんかな!!素でかっこいいからうち本間困っちゃう!しかも好きな色はカーマインとかハアハアするわ!しかも好きな女の子のタイプが家庭的な子ってなに!?ギャップ萌えでも狙ってるの!?あ―もう本間可愛いきゅんきゅんくる!!行きたいデートスポットはオシャレなカフェってところにまた先輩らしさが出てかっこいいというかなんというか…。日課はブログを書く事で、テニス以外の特技はパソコンで作曲……ああもうかっこよすぎ!!中身までイケメンとかめっちゃ卑怯ちゃう!?座右の銘までかっこええんよな、あの先輩…!あ、座右の銘は能ある鷹は爪を隠すなんよ!はあああんもう本間かっこええ!!しかも外見は黒髪ピアスの猫目とか萌え!!激萌え!!そうピアスは色違いで五つつけとって、青、黄、黒、緑、赤!この色のチョイスに個性をお姉さんは感じます…。しかも体温は低い35度とかそういうところもカッコイイって思うわ〜。しかも冷え症の猫舌さんだから本間可愛いらしい…!そんなかっこよさの中に可愛らしさを秘めたのが財前先輩なの!!わかった!?」
『ここまで読んでくれた読者さんお疲れ様でした―☆
でもあれ読まなくても良かったんですよ?』
「わかった?」
『はいあの貴女様がどんだけ財前先輩が好きかとか黒髪ピアスとかわかりました』
「よろしい」
女1「池上は相変わらず財前先輩ファンやなあ」
女2「本間や」
女3「でもそれわかるわ―!!」
「本間!?ちょっと語ろうでぇ」
がたがたと椅子を運ぶ麻梨紗ちゃん。
ちょ。
『ちょい待ちだぜ麻梨紗ちゃん!
遠山の写真は―?』
「あ、ごめんごめん!
はい、これねっ」
『ありがと―』
女1「栗木田は金ちゃんファンか―」
女2「栗木田も語ろうでぇ」
「本間じゃわあ!おいでおいで!」
『この写真見てからにするわ―』
女3「りょ―かい」
そうして四人は語りだした。
あたしは手にある写真(保護あり)に目をやす。
『わ…!!』
Vサインしてる遠山がばっちり写っていた。
今と変わらないヒョウ柄のタンクトップを着た今と変わらない赤毛で、顔は随分幼く、今あるエロスのカケラもない。
かんわうぃうぃ……!!
やばいもっとる手がプルップルしとる!!
後から焼き増しして頂こう!!
「あれ、それワイや―ん」
『っわ!!遠山!?』
後ろを振り向くと自分の席に座っている遠山がおった。
「何で栗木田が持っとん?」
『あ―…、これは友達の』
「え―そうなんや―…。
栗木田がワイのこと好きなんかって期待したやんか…」
『ひぐっ!?』
遠山がわざわざ耳に吐息をかけながら話してきた。
やめてくれ、痒いんだぞオイ。
「残念やなあ…」
『…ぁ!もう離れろくすぐったい!!』
「栗木田本間オモロいわあ」
クスクスと笑みを浮かべる遠山。
中一の時とは大違いじゃな!!
((ああもう中一だったら全然良かったのになあ…))
((栗木田って本間オモロくてかわええわ))
高校きんたろのもっぱらの楽しみは人をからかう事だといいな!
2011.7/10
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