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06.


『お、お早う御座いますコムイさん…。
あ、違う。えっと、Good morning,Komui.』

英語の成績も自信はありません。これで間違ってたら恥かいて死ねる気がする。

「…何二回もおはようを言っているんだい?」
『え』

な、なんだって―!
此処では英語で喋らなくても良いのか。便利な世界…。

「―で」
『はいな』
「君は誰だい?」
『……………』

どう答えればいいのかしら。
私は返答の仕方がわからずに目線をコムイさんから外した。


――――――



「―で、もう一度聞くよ。君は誰だい?」
『わ、私は栗木田杏子、栗木田杏子って言います』
「何で二回言ったんだい?」
『大切な事だから二回言いました。そして私の性別は見ての通り、可憐で儚い女性さんです』
「で?」
『化学班の皆さんにお願いがあります。
…………この縄ほどいてくれませんでしょうか』
「無理」
「無理だ」
「無理だよ」
『―コムイさんもリーバーさんもジョニ―もわざわざハモらなくても良いんじゃないかな…』

コムイさんから視線をそらした後、
コムイさんが即座に化学班の皆様を呼び集め、私は化学班の皆様に"不審者"だの、"侵入者"だのと言われ、縄でぐるぐる巻きにされました。

あ―…。でもこれあのD灰の世界の縄なのか。
そう思うと自分が今凄くレアな体験をしているようで(いやしてるんだけど)良い気分になる。
でも人として縄をほどいてと志願しますよ。マゾスティックじゃないしね。





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あきゅろす。
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