02.
―ガチャ…。
ドアを開けた音が虚しく家に響く。
ドアを開けても、某ドアみたいにはならないんだ…。
何か少し、しょげる。
そりゃあ、わかってたよ?わかってましたとも。
オリジナルなんだから、成功するはずなんか無いって。
でもさ?少しくらいこう、不思議体験的な事が…。みたいな淡い期待を抱いてたのに。
『はぁ…』
まあ、そう簡単に行くわけないよねぇ。
下から取って来たものを置いてこようと部屋から出る。
―ぐにゅ
数歩歩いたところで、私は何かを踏んだ感触を―…
否、違う。
この感覚は踏んだんじゃなくって、
何かに足を吸いこまれているような、そんな感じ。
私は嫌な予感をビンビン感じながら足元の方へと視線をやす。
其処には、絵の具を色々と混ぜた様な感じの穴があいていた。
『な、何これ!』
それは、どんどん大きくなっていって、家全体を塗りつぶす。
足元のぐにゃぐにゃという感覚は収まらず、
私はどんどんと床の方へ引っ張られていく。
『あ…。い、嫌……、嫌っ!!』
私の叫びも虚しいまま、私は床(に開いた穴)に落ちて行った。
『いっ、嫌――――っ!!』
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