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03.


―――


まあ、答え何て決まってるんですがね。

あの後私は正式にエクソシストになる事が決定し、ジョニー達から採寸を受けた。

タップのお腹はマジでぽよぽよしてたな、って言うのが採寸時の感想。

そして今現在、私は調度コーヒーの差し入れに来ていたリナリー嬢に教団内を案内されようとしている。

「じゃあリナリー。この子が新しいエクソシストの杏子ちゃん」

リナリー嬢はにこっと笑いながら首を少し右に傾ける。
やめて、そのスイートエンジェルスマイルでわたすを見ないでくだせぇ!!!!←

「はじめまして!エクソシストのリナリー・リーです!!」

にこにこ笑顔のまま、リナリー嬢は私に向けて右手を差し出してくる。
ま、まさかのお触りですか!?
え、わ、私こんな美少女と握手して良いの!?

リナリー嬢は本当に美少女。
艶のある少し緑がかった黒髪に、思わず目を惹かれる大きくてぱっちりとした瞳。
それを更に華やかにする黒くて長く、太い睫毛。
桜の花びらの様な唇はぷっくりとしていて可愛らしく、小顔。

差し出された右手は白く細く、力を入れてしまったらボキッと骨が折れてしまいそう。
綺麗に揃えられた指も白く細く長い。

何なんだこの完璧美少女は!!
流石教団のアイドル。
この調子じゃあ三十路超えた頃にはマドンナとか言われそうだ。


――な―んて事を思ってる間に、私はしっかりと希望に答える様に握手をして、自己紹介をしていた。

あんまり見詰め過ぎるのも失礼だしね。

『はじめまして!!栗木田杏子です!!
歳は15歳と何ヶ月か。宜しくお願いします!!』
「フフ、よろしくね」
『はいっ』

ふんわりやんわり微笑んだリナリーちゃん。
ぶっちゃけ堪らん、ハァハァ。

全く、こんな美少女を放っとく何て教団の野郎共は何してんだ。
私が野郎なら放っておけない…、放っておかない…。(冗談抜きだ)


「それじゃ、行きましょうか」

すっとまた手を差し出してくるので、私も手を差し出した。
すると、きゅっと強く掴まれた。

ちくしょ―………。
可愛いな、オイ。




「わあ。
杏子ちゃんの手、ふにふにしてる―」
『そうですかね?』

そう言って私の手を楽しむ様にふにふにしながら、歩き始めるリナリー嬢。
野郎共の羨ましがる視線が心地好いと本気(と書いてマジと読む)で思うわ。













―――



「最後に、此処が食堂ね」
『わ―、広―い…』

見上げる天井は高く、視力の悪い私は、壁に貼ってあるポスターの字が読めない。
それぐらい広いのだ。


当たりをキョロキョロと見回すと、テーブルの上に大量の皿。


『…ん?あのお皿の山って……』
「あら、本当だわ。アレンく―ん」
「ふぁっ。ひあひーふぁひゃいへふは(訳:あっ。リナリーじゃないですか)」
『取り敢えず飲み込もうか』

はっ!!
思わず突っ込んでしまつた。(つが小さくないのはワザとよ)
いや、言いたい事はどことなくわかりましたけど。

―ごくり、と食べ物を飲み込む音がモロに聞こえた。

「そちらの方は…?」
「新しいエクソシストの杏子ちゃん。
教団の中を一通り案内してたの」
『あ、初めまして』
「初めまして。同じエクソシストのアレンです。これからよろしくお願いしますね」

にこ、と微笑んで、リナリー嬢同様に手を差し出してきた。
差し出さないと失礼極まりないので(下心の言い訳だけど)、繋いでいない方の手を差し出した。
きゅっとされたので、やんわりときゅっと仕返す。

うわ、ヤバい。
男の人の手だ。
ごつごつと骨っぽくて広い掌。
手フェチでもある私には美味し過ぎる。

「この子、掌がふにふにしてて気持ちいいのよ」

!?
リナリー嬢何を!?

「へぇ、そうなんですか。
あ、本当ですね。ふにふにしてる」
『え、あ、ども』
「しかも手、すべすべじゃないですか」
「そうなの!!色も白いし羨ましいなあ…」

あなたがたは何の話しをしていらっしゃるのですか?

『リナリーちゃんに羨ましがられる程の手じゃないよ』
「いやいや、リナリーにも勝るんじゃないですか?
にしても気持ちいいですね。
手首切り落としてずっとしてたいですねぇ」


――アレンさん…。


アレンさんは私の予想通りの変態さんでした。
嬉しい様な嬉しくない様な!!←


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