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07.

「―で、君は本当に何者何だい?」

コムイさんが質問を私に投げかける。
同じ質問を、この人は何回しているのだろう。

きっともうこのままでは埒があかない。
そう思った私は、本当の事を言う事にした。

『化学班の皆さんは…。"トリップ"って、知ってますか?
トリップというのは、所謂パラレルの一種。
あ。え―と、そもそもパラレルっていうのは………。
じゃなくって。嗚呼もう頭がこんがらがってきたぞ』
「あ―…。まあ、何だ。ゆっくりでいいぞ」
『有難う御座いますリーバーさん…。リーバーさんやっぱり優しい……。
えと、私は此処に、次元移動をしてきました』
「次元移動?」
『皆さん何か教育でもされてるんですか、さっきから皆さんハモりすぎですよ。
――えっと、本の中の世界を二次元。私達が今居る現実を三次元と言います。
でも、私の居た次元にとっては貴方達は本の中の人間。つまり二次元の架空のキャラクターという事ですね。
まあ簡単に言うと、貴方達は本の中のキャラクターで、私は本の中に入ってきたという事になります』

頭の良い化学班はきっと理解してくれるはず!
そう信じていたんだけど、皆さん頭に疑問符が浮いていますよ。

「でも、もし本の中に移動するにしても、そんなのどうやって…」
『ジョニ―いい処に食い付きました!
実はこの現象が起こる呪文、私が考えたんです。
ちょっと遊び程度だったんだけどまさか本当になるなんて…』

私超ラッキー! 
この言葉は飲み込んだ。今は戦争中だから、そんな事言えない。

『でも、どうしてだろう…。
あ、移動に使った道具はこの懐中時計です』

手に持っていた懐中時計を差し出す。
するとコムイさん達化学班は神妙な顔になって、こういった。

「コムイ室長、これってもしや……」
「嗚呼。イノセンスの可能性がありそうだ」










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あきゅろす。
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