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俺は狂ってますか?
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あいつは俺に取って、特別だった。

だから、俺も素のままの姿でいれた。

傍にいるだけで幸せだったから、
笑顔を作る必要なんて無かった。

けれど……
他の奴の前では、俺は笑えない。

あいつに出逢って……
初めて心の底から笑う事を知って……
あいつを失って……
俺は笑う事が出来なくなった……

いつまでも引き摺っている俺は、
きっとバカなのだろう。

忘れてしまえば楽になるのに……

………………?

忘れてしまえば……?


「? 風海?」


不安げに眉を八の字に下げた裕が、
顔を覗き込んできた。


「あ……嫌……
あいつは……特別だから……」


引っ掛かりを覚えた思考を無視し、
思いの丈を告げる。

すると、不安げといった程度の顔付きが、
情けない位に萎れた顔付きになった。

その様はまるで捨てられた子犬だ。

だからといって、
なんの感慨も湧かないけれど。


「………………よ…………」

「え?」

「俺には……無理だ…………」







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