[携帯モード] [URL送信]

俺は狂ってますか?
14
 


「俺の心を裕に向かせてみてよ」


裕から身体を離し、
頬をソッと撫でる。


「出来るでしょ?」


微笑みかければ、
裕は眉を下げ、悲しそうな顔をした。


「? どうしたの?」


なんか悪い事したっけ?


「その顔……
嫌だって言ったのに……」


ボソリと呟かれた一言に、
目を見開いて驚く。


「俺の前では普通でいるって
約束だっただろ……」

「あ…………」


裕に言われてから、気付いた。

裕の前では作り笑顔を見せない事――

それはずっと前に裕が決めた事で、
俺自身も飴を与える意味で
笑顔を作らずにいた。

それなのに間違えるなんて……


「なんで……? なんでんだ……?
あいつの前ではそんな顔……」


二の腕を掴まれ、
ギリギリと力を込められる。

痛みに顔を歪めるも、
裕は止めようとしない。

仕方無いなぁ……


「裕、離して」

「…………………………」

「裕」


少々強めの口調で言うと、
裕は渋々といった様子で、腕を下ろした。







[*BACK][NEXT#]

14/22ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!