[携帯モード] [URL送信]

俺は狂ってますか?
12
消え入りそうな声で語る裕は、
余りにも弱々しく感じた。

だからと言って、
俺は何も思わない。

ましてや、裕のものだけになるだなんて、
そんな事は絶対にあり得ない。

俺はあいつのものだから……
だから、裕のものにはなれない……

なのになんで……


「裕…………」


俺はどうして裕を抱き締めてるの?


「裕の気持ちは嬉しいよ」


なるべく優しい声で囁く。


「けど、裕の気持ちには答えられない。
それは前から言ってたよね?」


そう口にした途端、
裕の身体は再び強張った。


「その代わり、一番大事にしてあげる。
そういう風に言ったよね?」


背中へと腕が回ってくる。


「なのにどうして
それ以上を求めようとするの?」

「…………………………」


俺が問い掛けると、
裕はごまかすように
首筋に舌を這わせてくる。

止めさせようとするが、
背中にしっかりと回された腕が、
それを許さない。

仕方無いな……


「殺せば俺が裕のものになると思った?」


裕の動きがピタリと止まった。







[*BACK][NEXT#]

12/22ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!