[携帯モード] [URL送信]

俺は狂ってますか?
風海side
弱くて……
儚くて……
脆い……

幼い頃から、
裕は捨てられる事に恐怖を抱いていた。

それはきっとあの人が
裕を捨てたからだ。

嫌……
裕だけじゃない……

あの人は全てを捨てた。

この腐った世界を捨てた。

だから裕は恐れる。

あの人の様に俺が裕を捨て、
この世界すら捨ててしまう事を恐れてる。

それなのに……


「俺の首を締めたのは何故?」


嫌々をするように、裕は頭(カブリ)を振る。

困ったもんだねぇ……


「裕……」


安心させる為に、抱き締めると、
裕は強張らせていた身体から力を抜いた。


「捨てないから……
この位の事じゃ捨てたりしないから……
だから……裕の思った事を教えて……?」


微笑みながら、
なるべく優しい口調で諭す。


「あ……」


顔を上げた裕の瞳は、
不安からか揺れていた。


「………………好きだから…………」


ポツリポツリと小さな声で、
裕は話し始めた。


「愛しているから……
だから、俺だけのものにしたかった……」







[*BACK][NEXT#]

11/22ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!