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俺は狂ってますか?
裕side
行為の後始末に
風海を風呂場で清めた後、
寝室のベッドに寝かせてやる。

ベッドの端に座り、
色素の薄い茶色い髪を梳くと
しなやかな身体が身動ぐ。

風海が吐息を漏らす度に、
胸がドキリと高鳴った。

まるで恋人同士の甘い一時のような……
この状況……
唯一間違っているのは、
俺と風海は恋人同士では無いという事。

それはとても残念な事だけれど……
こうして身体を重ねる事が出来るだけ、
まだマシなんだろう。

そう……
身体だけでも……
俺は……


「……っ」


ズキズキと痛みだした胸を、
俺はギリギリと抑えつけた。

食い込んだ爪が、
赤い跡を胸に散らす。

本当は……
本当は身体だけの関係なんて嫌だ。

俺を風海の特別にして欲しい。

風海の頭の中を俺で埋め尽くしたい。

もう他の誰とも身体を重ねて欲しくない。

けど、それは……
永遠に叶わない願い……







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あきゅろす。
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